東南アジアの「ラストフロンティア」として注目を集めるミャンマーで、今まさにスマートフォンの画面一つで完結するキャッシュレス経済が急加速しています。2019年11月20日現在、現地の街角では驚くべきスピードでデジタル化が浸透しているのです。
かつては現金主義が根強かったこの国で、2016年に登場した「ウェーブ・マネー」が先火を付け、現在は最大手銀行が手掛ける「KBZペイ」が猛追しています。身近な店でQRコードを読み取る姿は、もはや日常の風景と言えるでしょう。
辺境の地でも当たり前?驚きの普及率と利便性
2019年11月中旬、ミャンマー北端に位置するミッチーナのホテルを訪れると、フロントには当然のようにKBZペイのロゴが掲げられていました。スタッフも「どうぞ使ってください」と慣れた手つきで案内してくれるほどです。
QRコード決済とは、スマホのカメラで特定のバーコードを読み取り、瞬時に支払いを完了させる技術を指します。2018年8月のサービス開始からわずか1年強で、利用者数は350万人を突破し、年内には500万人に届く勢いを見せています。
特筆すべきは、銀行口座を持っていなくても身分証さえあれば誰でも登録できる点です。これにより、これまで金融サービスから遠ざかっていた層までもが、一気に最先端のデジタル経済へと足を踏み入れることになりました。
送金革命から始まったミャンマー独自の進化
ミャンマーにおけるスマホ決済のルーツは、都市部から農村への「仕送り」にありました。先行したウェーブ・マネーは、バスでの現金輸送に頼っていた労働者たちに対し、安全かつ迅速な個人間送金の手段を提供したのです。
2018年の年間送金額は約1400億円という巨額に達しており、SNS上でも「家族への送金が楽になった」という喜びの声が多く見受けられます。この成功体験が、今の決済文化の土台を作ったことは間違いありません。
一方、後発となったカンボーザ銀行は、中国の華為技術(ファーウェイ)から最新技術を導入する戦略を2018年3月に決定しました。銀行の強固なネットワークを活用し、地方でのシェアを驚異的なスピードで拡大させています。
さらなる激化!日系連合も参戦する覇権争い
この熱狂的な市場を、日系企業も見逃してはいません。2019年10月には、住友商事やKDDIが支援するミャンマー郵電公社(MPT)が、中央銀行から電子マネー事業の正式な認可を取得したとの報告が入りました。
「MPTマネー」の開始により、先行する銀行勢と通信キャリア勢による競争は、今後さらに一段上のステージへ進むでしょう。消費者にとっては選択肢が増え、より使いやすいサービスが次々と生まれる絶好の機会が訪れています。
私は、この動きを単なる流行ではなく、ミャンマーの経済格差を是正する「希望の光」だと確信しています。既存のインフラを飛び越えて最新技術が広がる「リープフロッグ現象」が、この国の未来を劇的に変えていくはずです。
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