【VR×電気工事】石川発のスタートアップが挑む「命を守る」仮想訓練!人手不足を救う最先端の没入体験とは

石川県白山市の静かな街並みの中に、建設業界の常識を塗り替えようとする野心的な企業が存在します。2015年に設立された「双子ゲームス」は、これまでゲームなどの娯楽分野が中心だった仮想現実(VR)技術を、命に関わる危険な作業訓練の場へと見事に転換させました。ITスタートアップの空白地帯とも言われる地方都市から、業界の救世主となるサービスが誕生しています。

現在、日本の電気工事業界は深刻な人手不足に直面しており、若手の育成が急務となっています。しかし、実際の現場での訓練は常に感電や爆発といった生命の危険と隣り合わせです。そこで2018年9月に同社が開発した「危険作業訓練VR」が大きな注目を集めています。SNS上でも「これなら新人も怖がらずに、かつ緊張感を持って練習できる」と、その実用性の高さが話題です。

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五感を刺激する圧倒的な没入感と教育効果

このシステムでは、専用のゴーグルを装着した瞬間に、本物と見紛うばかりの分電盤や電柱が目の前に立ち上がります。VR(バーチャル・リアリティ)とは、コンピュータによって作られた仮想的な空間を、まるで現実のように体感させる技術のことです。利用者はコントローラーを使い、分電盤の結線やブレーカー交換、電柱の上での検電作業などを疑似的に体験することになります。

吉本卓生社長は、体を動かして操作することによる「没入感」の重要性を強調しています。この没入感とは、自分がその世界に完全に入り込んでいるかのような深い感覚を指します。もし手順を誤れば、目の前で機材が激しい爆発音とともにショートする演出が施されており、失敗の恐ろしさを安全な環境で身をもって学べるのが最大の特徴といえるでしょう。

私は、こうした「安全に失敗できる環境」こそが、現代の技術継承における突破口になると考えています。ベテランの背中を見て覚える時代から、デジタルで効率的に、かつリスクゼロで経験値を稼ぐ時代への転換です。このシステムは土木や建設など、他の危険を伴う職種へも柔軟にカスタマイズが可能であり、その市場の広がりには計り知れない可能性を感じます。

地方から世界を狙う!Uターン起業家の情熱

吉本社長は地元・白山市の出身で、高専卒業後に関東のIT企業でエンジニアとして活躍していました。しかし、過酷な労働環境から体調を崩して帰郷した経緯があります。「自分のペースで働く」ために選んだ起業という道が、結果として地域の産業を支える革新的な事業へと結実しました。2020年6月期の売上高は2,000万円程度を見込んでおり、着実な成長を続けています。

2019年11月21日現在、同社は大手業者との取引も開始しており、県内のビジネスコンテストでも高い評価を獲得しました。変化の激しいVR市場において「先行逃げ切り」を狙う吉本社長の戦略は、地方の小さなオフィスからでも、アイデアと技術があれば全国区のビジネスを展開できることを証明しています。今後の安定的な黒字化と、さらなる新分野への進出が期待されます。

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