【新技術】展示会での救世主!?イナックが開発した「超軽量・樹脂製カットモデル」が製造業の常識を覆す

愛知県岡崎市に拠点を置く樹脂加工のスペシャリスト、株式会社イナックが、製造業界の展示会や商談のスタイルを劇的に変える画期的な技術を開発しました。製品の内部構造をあえて露出させることで、その高度な仕組みを視覚的に伝える「カットモデル」を、すべて樹脂で再現することに成功したのです。2019年11月13日、同社が発表したこの新技術は、見た目の重厚感と驚異的な軽さを両立させています。

従来のカットモデルといえば、実際の製品と同じ鉄や非鉄金属を用いるのが一般的でした。しかし、自動車の変速機(トランスミッション)といった精密で巨大な機械の場合、その重量は数百キログラムに達することも珍しくありません。これでは運搬だけで一苦労ですし、展示会場への設置にも膨大なコストと人手が必要となります。こうした「重すぎる」という業界共通の悩みを、イナックの技術が鮮やかに解決してくれるでしょう。

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本物と見紛う質感の秘密は「多軸加工」と「特殊メッキ」にあり

イナックが提供する樹脂製模型の最大の武器は、金属と見間違えるほどの圧倒的な質感です。ここで活用されているのが「多軸加工機」という設備で、これは刃物を複数の方向から自在に動かして材料を削り出す工作機械を指します。この高度な機械を駆使することで、駆動部品がぎっしり詰まった車輪のような、複雑極まりない造形も寸分違わず再現できるのです。

さらに、削り出した樹脂の表面には精巧な塗装やメッキ加工が施されます。これにより、見た目は重厚な金属そのものですが、中身は樹脂のため、鉄製と比較して最大で85%もの軽量化を実現しました。SNS上でも「これなら一人で持ち運べる」「展示会の設営が楽になりそう」といった、現場を知るプロたちからの期待の声が上がっています。また、不要な内部を空洞化させる工夫も、この驚異的な軽さを支える秘訣と言えます。

メンテナンスフリーでEV時代にも対応する新たな商機

樹脂製であるメリットは、軽さだけではありません。金属製のモデルは時間の経過とともにサビが発生しやすく、美しい状態を保つためには定期的なメンテナンスが不可欠でした。しかし、樹脂であれば劣化の心配がほとんどなく、長期間にわたって新品同様の輝きを維持できるのは大きな強みです。維持管理の手間が省ける点は、備品を管理する担当者にとっても大きな魅力となるはずです。

谷口武司社長は、今後普及が加速する電気自動車(EV)関連の部品においても、このカットモデルの需要が拡大すると確信しています。2019年11月13日現在、同社は自動車部品メーカーを中心に販路を広げ、2020年を目標に5000万円の売上を目指すという具体的なビジョンを掲げています。5年前から自動車業界へ本格参入し、着実に実績を積み上げてきた同社だからこそ成し得た進化と言えるでしょう。

私自身の見解としても、この技術は単なる「模型作り」の域を超え、企業の営業戦略を支える強力なツールになると感じています。重いからと諦めていた地方での展示や、顧客先への持ち込みデモンストレーションが可能になれば、商談の機会は飛躍的に増えるはずです。技術を「見せる」ための工夫が、日本の製造業の競争力をさらに引き上げていく様子を、これからも注視していきたいと思います。

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