全国の地方銀行が直面している厳しい経営環境を打破するため、金融庁が大きな一手に打って出ました。2019年11月13日、将来的に存続が危ぶまれる地銀に対し、他の地銀が資金援助を行いやすくするための規制緩和方針が明らかになったのです。これまでは経営破綻の危機が目前に迫らなければ認められなかった特例措置を、2020年にも「予防的」な段階から適用できるよう見直します。
現在、金融業界には「ダブルギアリング規制」というルールが存在します。これは、金融機関同士が株式を持ち合うことで、見かけ上の自己資本を水増しすることを防ぐための仕組みです。しかし、このルールが出資側の自己資本比率を低下させてしまうため、苦境にある仲間を助けたくても二の足を踏んでしまうという皮肉な状況を生んでいました。今回の見直しは、その「足かせ」を外す画期的な試みといえます。
「危機の芽」を摘む!地銀版・予防医学の導入へ
金融庁が危機感を募らせる背景には、バブル崩壊時のような「突然の破綻」とは異なる、現代特有の「じわじわと進む衰退」があります。長引く低金利政策や人口減少により、本業の収益が赤字に陥るリスクが高まっているのです。そこで、自己資本比率が国内基準の4%を下回る懸念がある段階から、他行による資本参加を促すことで、経営基盤の強化を早期に図る狙いがあります。
ネット上のSNSでは「ついに地銀の救済が本格化するか」「SBIの島根銀行・福島銀行への出資に続く動きが加速しそう」といった期待の声が上がる一方で、「単なる延命措置にならないか」という鋭い指摘も散見されます。単に資金を注入するだけでなく、出資をきっかけとした抜本的なコスト削減や、デジタル化による収益モデルの変革が伴わなければ、真の解決には至らないという編集者としての視点も忘れてはなりません。
独占禁止法の特例とあわせた「最強の支援パッケージ」
政府はさらに、2020年の通常国会に向けて、同一県内の地銀統合を独占禁止法の適用外とする新法の制定も目指しています。シェアが高まりすぎることを懸念して進まなかった再編を、国が全面的にバックアップする姿勢を鮮明にしました。これに今回の資本規制緩和が加われば、資金と制度の両面から、地銀が生き残るための「最強の道具立て」が揃うことになります。
2019年度中には指針が改正される見通しですが、最後に鍵を握るのは地銀経営陣の「覚悟」です。長年ライバルとして競ってきた近隣行と手を取り合うのは心理的ハードルが高いかもしれません。しかし、地域経済の血流を担う誇りがあるのなら、この好機を逃さず、将来の地域社会に貢献できる新しい銀行のカタチを提示してほしいと切に願います。
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