岩手県盛岡市の中枢を長年支えてきた商業施設「ななっく」の跡地について、大きな進展が見られました。運営会社のななっくは、2019年11月21日に、地元企業であるカガヤ不動産へ土地と建物を売却したことを公表したのです。売買自体は2019年11月20日に完了しており、価格こそ伏せられているものの、街の風景が劇的に変わる予感に地元住民の視線が注がれています。
このニュースを受けてSNS上では、親しまれてきた百貨店文化の終焉を惜しむ声が目立ちました。その一方で、「地元企業が取得したことで、盛岡の個性を活かした再開発が進むのではないか」といった期待の眼差しも向けられています。かつて百貨店「中三」の志を継ぎ、2012年10月から地域を盛り上げてきた同施設ですが、新たな持ち主となったカガヤ不動産の手腕に、街の未来が託される形となりました。
老朽化による解体と今後の再開発への展望
売却先となったカガヤ不動産は、鉄骨工事業で知られるカガヤのグループ会社です。カガヤの加賀谷輝雄会長らは、売却発表当日である2019年11月21日に谷藤裕明盛岡市長を表敬訪問しました。そこでの報告によれば、建設から約50年が経過し老朽化が深刻な現在の建物は、一度解体する方針であるとのことです。地上9階、地下1階の巨大な構造物が姿を消すのは、一つの時代の区切りと言えるでしょう。
かつての「ななっく」は、1階に新鮮な食料品を並べ、地下には賑やかなフードコートを構えるなど、生活に密着した利便性を提供していました。しかし、建物の維持費が経営を圧迫し、残念ながら2019年06月02日にその幕を閉じています。今回の不動産売却によって得られた資金は、未払いとなっているテナント料や業者への支払いに充てられる見通しであり、清算に向けた誠実な一歩とも評価できます。
個人的な見解を申し上げれば、中心市街地における「建物の解体」は単なる更地化ではなく、都市のリスタートを意味する重要なステップです。元の運営側が描いていたホテルを含む複合施設の構想を、新オーナーがどう昇華させるかが鍵となるでしょう。今は「ノーコメント」という姿勢ですが、地元を熟知した企業だからこそ、単なる商業ビルに留まらない、盛岡の新しい「顔」となる空間作りを熱望してやみません。
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