日本が世界に誇る時計メーカー、セイコーウオッチ株式会社が、2019年12月01日付で大幅な組織改編と人事異動を断行しました。今回の改革の目玉は、グローバル市場での競争力を高めるために新設された「第三営業本部」の存在です。これまで以上にきめ細やかな海外戦略を展開しようとする、同社の強い意志が感じられる布陣となっています。
今回の人事では、取締役兼副社長執行役員の石黒実氏がマーケティング統括本部長に就任しました。また、専務執行役員だった内藤昭男氏が副社長執行役員へと昇進し、海外営業全体を統括する役割を担います。SNS上では「セイコーの海外シフトがいよいよ本格化するのではないか」と、ブランドのさらなる価値向上を期待する声が早くも上がっています。
グローバル展開を加速させる「第三営業本部」の役割とは
今回の機構改革において最も注目すべき点は、第三営業本部の新設でしょう。これは、従来の第一営業本部が所管していたアジア第一および第二統括部を独立させた組織です。いわゆる「機構改革」とは、企業の目的達成のために内部組織を組み直すことを指しますが、今回の動きはアジア圏という巨大市場への集中投資を意味しています。
新設された第三営業本部のトップには、取締役の金川宏美氏が常務執行役員として就任します。さらに、アジア第二統括部長を務めていた河田芳克氏が、副本部長として脇を固める形となりました。アジア市場は現在、経済成長に伴い高級時計の需要が急増している地域です。専門組織を設けることで、現地のニーズに即した迅速な意思決定が可能になるはずです。
一方で、マーケティング部門でも大きな動きが見られました。前マーケティング統括本部長の庭崎紀代子氏は、副本部長として広報宣伝部を直接担当する体制に移行します。現場に近いポジションでブランドメッセージをコントロールすることで、情報の透明性と発信力を高める狙いがあるのでしょう。土屋亨氏も副本部長に加わり、戦略の多角化が期待されます。
私個人の見解としては、今回の人事は単なる役職の入れ替えではなく、セイコーが「真のグローバル・ラグジュアリーブランド」へと脱皮するための布石だと感じています。特に、海外営業の権限を強化し、広報とマーケティングをより密接に連携させる姿勢からは、技術力だけでなく「物語」で世界を魅了しようとする情熱が伝わってきます。
伝統あるグランドセイコーの独立ブランド化など、近年のセイコーは攻めの姿勢を崩していません。2019年12月01日から始動したこの新体制が、2020年代に向けた日本の「ものづくり」の新たな指針となることは間違いないでしょう。世界中の時計愛好家が、日本発のタイムピースが描く次の一章に熱い視線を送っています。
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