2019年12月06日の東京外国為替市場では、円が対ドルで上昇を見せる展開となりました。この動きの背景には、海の向こう側である英国の政局が大きく関わっています。間近に迫った英国総選挙において、不透明な情勢が解消に向かうとの期待感から英ポンドが買われ、その反動で世界基軸通貨であるドルを売る流れが加速したためです。
投資家の心理として、リスクを避けるためにドルを手放し、比較的安全な資産とされる日本円へと資金を振り向ける「円買い・ドル売り」の連鎖が起きたといえるでしょう。正午時点のレートは1ドル=108.67円から108.68円前後となっており、前日から比較して21銭ほどの円高水準で推移している状況です。
欧州通貨の躍進と円買いのメカニズム
今回の相場変動の主役は、何といっても欧州通貨の強さです。ポンドだけでなくユーロに対してもドル安が進んでおり、ユーロ・ドルは1.11070ドル近辺まで上昇しました。このように複数の通貨に対してドルが独歩安となる状況を「ドル全面安」と呼びますが、これが円相場を押し上げる強力なエンジンとして機能しているようです。
一方で、円の上値を重くしている要因も存在します。それは日本の輸入企業による「実需の円売り」です。海外から商品を仕入れる企業は、支払いのために円を売って外貨を確保する必要があるため、急激な円高を食い止めるクッションのような役割を果たしています。この攻防が、現在の108円台という絶妙な均衡を生み出しています。
SNS上では「ポンドの爆上げにつられて円も強くなってきた」「選挙の結果次第ではもっと動くのでは」といった、欧州発の波乱を警戒する声が目立っています。為替市場は常に連鎖しており、一国の政治イベントが地球の裏側の通貨価値を左右するダイナミズムは、まさにFX取引の醍醐味であり、同時に怖さでもあると感じさせられます。
筆者の視点としては、現在の円高傾向は一時的な調整局面に近いものと考えています。英国のEU離脱を巡る問題は依然として根深く、選挙結果が出るまでは予断を許さない状況が続くでしょう。市場参加者は「噂で買って事実で売る」という格言通りに動くことが多いため、過度な円高期待には慎重な姿勢が必要だというのが正直なところです。
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