私たちの暮らしを支えるエネルギーインフラにおいて、今もっとも注視すべき課題は自然災害への対応力です。2019年12月06日、日本ガス協会の広瀬道明会長(東京ガス会長)は、ガス業界が直面している現状と未来への展望を語りました。同氏が「業界最大の懸念」として挙げたのは、いつ発生してもおかしくないとされる首都直下地震や南海トラフ巨大地震への対策です。
2019年の秋は、日本列島を襲った記録的な大型台風が記憶に新しいところでしょう。広瀬会長はこれらの台風被害を振り返り、都市ガスのインフラについては比較的軽微な影響に留まったとの認識を示しました。しかし、風水害を乗り越えたからといって決して楽観視はできません。むしろ未曾有の震災リスクが迫る中で、既存の設備をいかに守り抜くかが問われているのです。
レジリエンスの向上:強靭な都市インフラを目指して
ここで鍵となる言葉が「レジリエンス」という概念でしょう。これは単に建物が壊れない「頑丈さ」を指すのではなく、万が一被害を受けたとしても、速やかに元の状態へ回復できる「しなやかな復元力」を意味する専門用語です。SNS上でも「ガスが止まると復旧が大変」という声が散見されるように、有事の際の迅速な復旧体制は、市民の安心感に直結する非常に重要なポイントといえます。
現在、ガス業界では導管の耐震化を急ピッチで進めると同時に、過去の災害データを徹底的に検証する取り組みを強化しています。私は、こうした地道なインフラ更新こそが、最も確実な投資であると考えてやみません。目に見えない地下の配管を守ることは、私たちの当たり前の日常を守ることに他ならないからです。都市型災害への備えは、今この瞬間も刻一刻と進化を続けています。
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