株式市場に異変!「減配=売り」は過去の常識?決算発表から読み解く株価反発シナリオと銘柄選びの極意

2019年11月14日現在、2019年4月から2019年9月期の決算発表が終盤を迎えています。多くの企業で通期業績見通しの下方修正が相次ぐ中、株式市場ではある驚きの現象が起きているのです。

業績の悪化に伴って配当予想を引き下げたり、未定に変更したりする企業が続出しています。従来のセオリーであれば、こうした発表は投資家から嫌気されて株価が下落するのが一般的でしょう。

しかし現在の市場では、「配当を減らすから売る」という単純な行動ではなく、企業ごとに株価の明暗がくっきりと分かれています。SNS上でも「悪材料が出尽くした」「ここからが反発のチャンス」といった声が個人投資家から多数上がっており、反響の大きさが伺えますね。

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「下方修正」と「減配」が株価を押し上げる謎

ここで少し専門用語を整理しておきましょう。「下方修正」とは、企業が当初予想していた売上や利益の目標を、途中で引き下げることを指します。また「減配」とは、企業が利益の一部を株主に還元する配当金を、前回よりも減らす行為のことです。

通常はどちらも株価下落の大きな要因となります。ところが2019年の株式市場では、いったん売り込まれた後に急反発する銘柄が少なくありません。例えばダイフクやブラザー工業などは、すでに発表前の株価水準を上回っている状況です。

2019年11月13日に注目を集めた日産自動車も、2020年3月期の業績予想を大幅に下げ、年間配当を従来の40円から「未定」へと変更しました。にもかかわらず、株価の落ち込みは小幅にとどまり、一時的に値上がりする場面すら見られたのです。

復活シナリオを描く企業への熱い視線

過去を振り返ると、2010年から2018年までのデータでは、減配を発表した企業の株価は低迷する傾向が顕著でした。しかし現在は、あえて配当を減らしてでも体質改善に乗り出す企業が評価される傾向へとシフトしつつあると言えます。

その好例がローソンです。長年配当を増やし続けてきた同社ですが、2000年以降で初めてとなる減配見通しを2019年4月に発表しました。直後は株価が急落したものの、新規出店の抑制や加盟店支援といった抜本的な改革が投資家に好感され、現在では下落分を見事に回復しています。

また、衣料品大手のしまむらも同様の軌跡を辿りました。1988年の上場以来初となる減配を発表しましたが、既存店舗のテコ入れによって2019年3月から2019年8月期の営業増益を達成し、株価は発表前の水準へと戻ったのです。

高配当の罠と企業の未来を見据えた投資

近年、日本株上昇の原動力として企業の株主還元策がもてはやされてきました。しかし、無理をして高い配当を維持することが、逆に企業の成長を阻害する足かせになっている側面も見逃せません。

例えば高配当で知られるキヤノンは、2019年12月期の業績見通しを3回も引き下げました。構造改革に300億円を投じる計画ですが、これは2018年の年間配当額である約1700億円の5分の1にも満たない金額なのです。青山商事も赤字転換の見通しでありながら、高い配当が重荷となっている構図が浮かび上がります。

ここからは私自身の見解ですが、投資家は単なる目先の利益ではなく、「危機感をバネに自己変革できる企業か」を厳しく見極めるようになっています。減配という痛みを伴う決断は、企業内に緊張感を生み出し、未来への成長投資へと資金を回すための重要な一歩となるはずです。

目先の「減配」という文字だけで判断するのではなく、その裏に隠された企業の復活シナリオや本気度を読み解くことこそが、これからの株式投資において最も重要なスキルとなるのではないでしょうか。

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