2019年12月06日、愛知県春日井市において、高齢女性が言葉巧みな嘘によって多額の資産を失うという極めて痛ましい事件が発生しました。被害に遭われたのは80代の無職女性で、その被害額はなんと4800万円という驚くべき数字にのぼっています。犯行の手口は、警察官を装って被害者の不安を煽るという、特殊詐欺の典型的ながらも非常に卑劣なものでした。
事の始まりは、2019年12月06日の午前10時ごろに女性の自宅へかかってきた一本の電話です。受話器の向こうの男は「偽札グループを逮捕したところ、犯人の所持品の中からお宅のキャッシュカードが見つかった」という衝撃的な内容を告げました。このように、まずは被害者をパニックに陥らせて冷静な判断力を奪うのが、彼らの常套手段といえるでしょう。
さらに犯行グループは、追い打ちをかけるように「偽札が紛れ込んでいる可能性があるので、お札の番号を確認させてほしい」と持ちかけました。ここで用いられた「偽札調査」という名目は、一見すると正義感に訴えかける協力要請のように聞こえますが、実際には現金を物理的に差し出させるための真っ赤な嘘に他なりません。
電話からわずか40分後の午前10時40分ごろ、警察官を名乗る30歳前後の男が女性の自宅に姿を現しました。対面という状況と、警察官という権威ある肩書きを信じ込んでしまった女性は、自宅に保管していた現金4800万円を紙袋に詰め、男に手渡してしまったのです。迅速すぎる訪問も、被害者に相談する隙を与えないための計算された行動だったと推測されます。
この事件に対し、SNS上では「4800万円を自宅に置いていたことに驚く」「警察が自宅までお札の番号を調べに来るなんてありえないのに」といった驚きや怒りの声が相次いでいます。しかし、当事者となって「あなたのカードが悪用されている」と言われれば、誰しも冷静さを保つのは難しいものです。犯人はまさに、その心の隙間を狙い撃ちにしてくるのです。
編集者としての視点から述べさせていただきますが、公的機関が電話で現金の確認を求めたり、直接自宅まで現金を受け取りに来たりすることは、通常の手続きでは絶対にあり得ません。今回の「偽札調査」という名目も、善意を利用した非常に悪質なロジックです。どんなに急かされても、まずは電話を切り、家族や本物の警察に相談する勇気を持っていただきたいと思います。
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