木々が葉を落とし、街行く人々の装いも落ち着いた色合いが増えるこの季節、心までパッと明るくなるような「食べるお花」が注目を集めています。最近では健康志向の高まりから、微生物の力を借りた「発酵鍋」が流行していますが、今もっとも熱い視線を浴びているのは、鍋の中に色とりどりの花々を咲かせるスタイルです。
ベトナム伝統の「花鍋(ラウホア)」や、身近な食材を花に見立てて盛り付ける「花畑鍋」など、その美しさはまさに芸術品といえるでしょう。SNSでも「食べるのがもったいない!」「蓋を開けた瞬間の幸福感がすごい」といった驚きの声が続出しており、特に感度の高い女性たちの間で大きなムーブメントとなっています。
本場ベトナムの彩りを名古屋で!「海鮮花鍋」の衝撃
2019年11月下旬、愛知県犬山市から名古屋市のアジア料理店「ヴィヴィラン」を訪れた加藤聡一郎さんと日高沙弥さんは、目の前に運ばれてきた料理に思わず歓声を上げました。二人が注文したのは、同店の看板メニューである「海鮮花鍋(2880円・税別)」です。
この料理は、2019年8月のオープン当初から来店客の3割が注文するほどの人気を誇っています。運営元のマネージャーを務める堀川拓也さんによれば、ベトナムでは花を食べる文化が根付いており、現地で女性に愛されている珍しい料理を、日本でも流行すると確信して取り入れたそうです。
使用されるのは「エディブルフラワー」と呼ばれる食用花です。これは観賞用とは異なり、安全に食べられるよう専用の環境で栽培された花を指します。現在はキンギョソウやデンファレなど4種類が使われており、ビタミンや食物繊維も豊富に含まれているため、美容を意識する方にも最適といえますね。
スープはトムヤムクンやレモングラスなどから選べ、魚介の出汁が効いた中に花や野菜を投入していただきます。実際に口にした女性客からは、花の香りが広がる上品な味わいや、野菜をたっぷり摂取できるヘルシーさに満足する感想が寄せられています。
家庭で咲かせる「世界に一つだけ」の花畑鍋
外食だけでなく、家庭の食卓にも美しい花を咲かせる動きが広がっています。大阪府吹田市の田橋紀子さんは、2019年10月下旬に初めて「花畑鍋」に挑戦しました。これは、インスタグラムなどの投稿をヒントに、食材を工夫して盛り付ける新しい鍋のスタイルです。
作り方は驚くほどシンプルで、鍋の底に敷いたもやしを土台にして、ピーラーで薄くスライスした大根やニンジン、豚肉をくるくると巻いて敷き詰めるだけです。田橋さんがこの様子を「nonchi_nonki」のアカウントで投稿したところ、家族からも「綺麗!」と絶賛され、食卓が笑顔に包まれました。
千葉県に住む小寺みちよさんも、野菜嫌いの息子のためにこの鍋を作り始めました。紫大根や黄色の人参で彩りを加え、その隙間にエノキダケを添えると、まるでブーケの中の「カスミソウ」のように見えるから不思議です。見た目の楽しさが、苦手な野菜への心理的な壁を下げてくれるのでしょう。
具材が薄いため、加熱時間が短くて済むのも忙しい現代人には嬉しいポイントです。京都市の山口舞子さんも、2019年10月上旬に初めて挑戦し、その手軽さと可愛らしさに「また作りたい」と意欲を燃やしています。調理の楽しさと、完成した瞬間の達成感は、日常に小さな彩りを与えてくれますね。
加熱すると具材がしんなりして「花の命」は短く感じられるかもしれません。しかし、完成直後の最高に輝く瞬間を写真に収め、その後に家族や友人と温かい鍋を囲む時間は、何物にも代えがたい贅沢です。今年の冬は、味覚だけでなく視覚でも楽しむ「花」の鍋で、心身ともに温まってみてはいかがでしょうか。
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