【2019速報】JA全農が配合飼料400円値下げへ!円高恩恵とトウモロコシ高騰の複雑な舞台裏

全国の畜産農家の皆様にとって、経営の負担を少しでも和らげる朗報が飛び込んできました。全国農業協同組合連合会(JA全農)は2019年06月21日、牛や豚などの家畜に与える配合飼料について、2019年07月から09月期の供給価格を1トンあたり約400円引き下げると発表しました。これは前の期に続いて2四半期連続の値下げとなり、全種平均での新価格は1トンあたり約6万3300円程度になる見込みです。

今回の価格改定は、実は非常に複雑なバランスの上に成り立っています。飼料の主原料であるトウモロコシの価格は上昇傾向にあり、さらに輸入にかかる海上運賃も堅調に推移しているという「本来なら値上げ」の要因が揃っていました。しかし、為替相場が「円高」に振れたことで輸入コストが圧縮され、これらが相殺された結果、値下げという形に着地したのです。また、大豆から油を搾った残りである「大豆かす(ミール)」の価格下落も、今回の値下げを後押しする大きな要因となりました。

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トウモロコシ高騰と米中貿易摩擦の影

ここで、市場の動きを少し詳しく解説しましょう。トウモロコシの国際相場に関しては、世界的な産地である米国中西部で天候不順が続いており、新しい穀物の作付けが記録的な遅れを見せています。これにより「将来的に収穫量が減るのではないか」という懸念が市場で台頭し、米シカゴ先物市場では価格が上昇しているのです。一方で大豆ミールについては、再燃している米中貿易摩擦を背景に大豆価格自体が下落しており、その影響で安値で推移しています。

今回の発表に対し、SNS上などでは現場からのリアルな反響が見られます。「トン400円でも下がれば経営には助かる」「円高のおかげで首の皮一枚つながった」といった安堵の声が上がる一方で、「トウモロコシが上がっているなら次は値上げ確実では?」「ぬか喜びにならなければいいが」といった、先行きを不安視する慎重な意見も少なくありません。多くの生産者が、目先の値下げを喜びつつも、不安定な国際情勢に神経を尖らせている様子が伺えます。

編集後記:不安定な相場への警戒が必要

私自身、今回の値下げは畜産現場にとって間違いなくプラス材料であると考えますが、楽観視はできないと感じています。JA全農自身が「トウモロコシ価格の高止まりが続けば、次期の価格は上がる公算が大きい」と警告している通り、今回はたまたま円高が救世主となったに過ぎないからです。天候リスクや政治的な貿易摩擦といった、自分たちではコントロールできない要因に経営が左右される構造的な課題は依然として残っています。

なお、すべての飼料が一律に下がるわけではない点には注意が必要です。穀物を主体とした飼料は値下がりしますが、脱脂粉乳を多く使用する子牛や子豚向けの飼料などは一部値上げとなります。2019年後半に向けて、米国産のトウモロコシの生育状況や為替の動向が、日本の畜産経営にどのような影響を与えていくのか、私たちは引き続き注視していく必要があるでしょう。

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