2019年09月11日、アメリカのドナルド・トランプ大統領は、中国から輸入される製品に対して予定していた制裁関税の引き上げを、当初の2019年10月01日から同月の15日へと延期することを明らかにしました。この決定は、中国が建国70周年という大きな節目を迎えることへの「善意の印」として、中国の劉鶴副首相から寄せられた要請をトランプ氏が受け入れた形となっています。
制裁関税とは、特定の国からの輸入品に対して通常よりも高い税率を課すことで、自国の産業を守ったり相手国に政治的な譲歩を迫ったりする仕組みを指します。今回の延期により、激しさを増していた米中間の対立が一時的に和らぐのではないかという期待が広がっています。SNS上でも「わずか2週間の延期だが、対話の姿勢が見えたのは大きい」といった安堵の声が上がる一方で、「単なる時間稼ぎに過ぎない」という慎重な意見も飛び交っています。
閣僚級協議に向けたトランプ流の駆け引きと山積する課題
今回の措置は、まもなく開催される予定の閣僚級による貿易協議を前に、トランプ政権が「硬軟織り交ぜた」巧みな外交戦術を展開している証左と言えるでしょう。相手のメンツを立てる形で譲歩を見せつつ、本番の交渉で実利を引き出そうとする狙いが透けて見えます。しかし、知的財産権の保護や中国による産業補助金の問題など、両国が抱える根本的な対立軸は依然として解消の目処が立っていないのが現状です。
私自身の見解としては、この一時的な延期が市場にポジティブなメッセージを与えたことは間違いありませんが、抜本的な解決にはまだ遠いと感じています。外交においてはこうした小さな貸し借りが重要ですが、経済の安定を第一に考えるならば、両国にはより持続可能な合意形成を急いでほしいところです。2019年10月の協議が、世界経済の行く末を左右する極めて重要な分水嶺になることは間違いなく、その動向から一瞬たりとも目が離せません。
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