資源リサイクル業界に、明るいニュースが飛び込んできました。鉄リサイクル業者で構成される関東鉄源協同組合(東京都品川区)が、2019年12月11日に実施した輸出入札の結果を発表しました。今回の平均落札価格は1トン当たり2万5804円を記録し、先月の11月契約分と比較して1497円、率にして約6%もの大幅な上昇を見せています。
この価格上昇は、前月から引き続き2カ月連続となっており、停滞していた市場が活気を取り戻しつつあることを如実に物語っているでしょう。SNS上でも「スクラップ価格の底打ち感が出てきた」「冬のボーナス的な上昇だ」といった、業界関係者や投資家たちによるポジティブな反応が相次いでおり、今後の推移に高い注目が集まっています。
アジア市場の底堅い需要が価格を押し上げる
今回の入札では合計3社が落札し、その総量は2万3000トンにのぼります。主な輸出先は、インフラ整備が急ピッチで進むベトナムや台湾などのアジア諸国であると推測されます。ここでいう「鉄スクラップ」とは、ビル解体時の鉄骨や廃車から出る鉄クズを指し、電気炉を使って再び鉄鋼製品へ生まれ変わる貴重な再生資源のことです。
実は、鉄スクラップの国際的な取引価格(市況)は、2019年の春頃から世界的な景気減速の懸念もあり、長らく下落傾向が続いていました。しかし、2019年10月半ば頃からベトナムをはじめとする東南アジアでの鉄鋼需要が力強く反発しました。今回の入札結果は、まさにその勢いが現在進行形で続いていることを証明する形となりました。
私個人の見解としては、この上昇傾向は単なる一時的な需給の乱れではなく、環境負荷の少ない「電炉鋼」への世界的なシフトが背景にあると感じています。鉄鉱石から鉄を作るよりもエネルギー消費が少ないスクラップ活用は、現代の重要課題です。2019年12月現在のこの勢いが、2020年の日本国内の仕入れ価格にも良い影響を及ぼすことを期待せずにはいられません。
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