HISが2019年10月期決算を発表!過去最高売上を記録した舞台裏とユニゾ株売却の戦略的背景

旅行業界の風雲児、エイチ・アイ・エス(HIS)が2019年12月12日に発表した2019年10月期の連結決算は、まさに激動の1年を象徴する内容となりました。最終的な儲けを示す純利益は、前の期と比べて11%増加し、122億円という力強い数字を叩き出しています。売上高についても、過去最高となる8085億円を記録しており、同社の規模拡大が止まらない勢いを感じさせてくれます。

特筆すべきは、本業の儲けを示す営業利益が微減した一方で、最終利益を押し上げた「ユニゾホールディングス」株の売却益です。敵対的買収の提案で世間を騒がせた同社株を手放したことで、30億円もの特別利益を計上しました。これは、単なる旅行会社としての枠を超え、投資や資産運用においても巧みな戦略を繰り出すHISらしい、したたかな経営判断の結果だと言えるでしょう。

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世界を股にかける成長と、激化するインバウンド競争の光と影

好調な売上を支えたのは、欧州旅行を中心とした海外旅行需要の伸びに加え、カナダの旅行会社を買収して傘下に収めた攻めの姿勢です。いわゆる「M&A(企業の合併・買収)」によって海外ネットワークを強固にしたことが、数字に大きく寄与しています。こうしたグローバル展開は、SNS上でも「HISの勢いがすごい」「海外での存在感が増している」といったポジティブな反応を多く呼んでいます。

しかし、順風満帆に見える決算の裏には、インバウンド(訪日外国人旅行)市場の過酷な現状も透けて見えます。特に中国人観光客を巡る現地業者との価格競争は熾烈を極めており、薄利多売の状況に陥っている点は見逃せません。売上は上がっても利益が残りにくいという構造的な課題は、今後の日本観光のあり方に一石を投じる事象として、非常に興味深いポイントではないでしょうか。

また、長崎の人気テーマパーク「ハウステンボス」も苦戦を強いられました。2019年10月期は天候不順や訪日客の減少が響き、入場者数が伸び悩んだ結果、利益が3割以上も減少しています。チケットの実質値下げという集客策を打ち出したものの、自然条件や国際情勢という不可抗力には抗いきれなかったようです。レジャー事業の難しさを改めて露呈した形となりました。

未来を見据える2020年への展望:守りから攻めへの転換

続く2020年10月期の見通しについて、HISは非常に強気な姿勢を崩していません。前述の株売却益という「臨時ボーナス」がなくなるため、純利益こそ前期比10%減の110億円を見込んでいますが、本業の収益力は一段と高まる予測です。売上高は9000億円、営業利益は193億円と、旅行事業のさらなる成長を前提とした野心的な計画を掲げました。

個人的な見解を述べさせてもらえば、この強気な計画は、同社が「単なるチケット販売」から「付加価値の提供」へ脱皮できるかどうかにかかっていると感じます。ホテル事業では新規開業費用がかさみ、一時的に2億円の赤字を出していますが、これは将来に向けた先行投資です。新しい体験を求める旅行者の心をつかむ独自サービスをどれだけ打ち出せるかが、次のステージへの鍵となるはずです。

SNSでは、決算内容を受けて「ユニゾ株を売って正解だったのでは」「ハウステンボスの立て直しに期待したい」といった声が上がっており、投資家やユーザーからの注目度は依然として高いままです。激変する世界情勢の中で、HISがどのように「旅の形」を再定義し、1兆円企業への階段を駆け上がっていくのか、今後もその一挙手一投足から目が離せません。

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