2019年12月14日の外国為替市場において、円相場はそれまでの堅調な動きから一転して大幅な反落を記録しました。午後5時の時点では、1ドル=109円62銭から63銭近辺で取引が進んでいます。これはわずか2日前の同時刻と比較すると、98銭もの円安ドル高が進行した計算です。突如として訪れたこの大きな変化は、世界の政治経済に漂っていた不透明感が一気に払拭されたことに起因していると言えるでしょう。
市場がこれほどまでに大きく動いた背景には、二つの決定的なニュースが存在します。まず一つ目は、長く続いてきた米中貿易協議がついに「第1段階」の部分合意に達したという報道です。世界経済のツートップが歩み寄りを見せたことで、投資家の間では「これ以上の景気悪化は避けられる」という安堵感が急速に広がりました。このポジティブな変化が、マーケットのムードを劇的に明るくさせたのです。
さらに、英国の総選挙で与党である保守党が過半数の議席を獲得したことも、追い風となりました。これにより、混迷を極めていた欧州連合(EU)からの離脱、いわゆる「ブレグジット」がようやく具体的な前進を見せるとの期待が高まっています。不確実性が嫌われる金融の世界において、物事が明確な方向性を持って進み始めることは、何よりも強力な買い材料として機能することを改めて証明した形となりました。
このような情勢を受けて、投資家の間では「リスク選好」と呼ばれる姿勢が強まっています。これは文字通り、多少のリスクを取ってでも収益を狙う攻撃的な運用のことで、市場の熱気を示すバロメーターでもあります。SNS上でも「ついに大きな壁が崩れた」「年末に向けて強気な展開が期待できる」といった声が多く上がっており、これまでの慎重な見方から一変して楽観的なムードが支配的になっている様子が伺えます。
一方で、こうした状況下で売られやすいのが「低リスク通貨」の筆頭である円です。円は世界的に経済不安が高まると「安全資産」として買われる傾向にありますが、今回のように世界が明るい兆しを見せると、逆に手放される宿命にあります。編集者としての私の視点では、今回の円安は単なる数字の変動ではなく、世界が停滞から脱しようとする「希望の裏返し」であると感じています。今は、この勢いが一時的なものに終わらないか注視すべき局面でしょう。
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