若者を中心に空前のブームを巻き起こしているタピオカドリンク。その最前線で、台湾茶カフェの代名詞ともいえる「春水堂(チュンスイタン)」と「TP TEA」の新商品開発を一手に担っているのが、オアシスティーラウンジの斉木カンナさんです。27歳という若さで数々のヒット作を世に送り出す彼女の情熱は、単なる流行に留まりません。
2019年10月の「春水堂ekie広島店」オープンに際し、斉木さんは広島カープの象徴である「赤」をテーマにした限定商品の開発に挑みました。春水堂が守り続ける「お茶の香りと味を最大限に引き出す」という高いハードルを越えるため、試行錯誤の末にたどり着いたのは、3種のベリーを贅沢に使用した「タピオカトリプルベリージャスミンティー」でした。
SNSでも「ベリーの酸味とお茶の爽やかさが絶妙!」と大きな話題を呼び、発売初月の売上の3割を占めるという驚異的な記録を打ち立てたのです。産休を経て2018年5月14日に復職してから、わずか1年半で50もの商品を形にしてきた彼女ですが、その裏には台湾本部でボツになった200以上の試作品があり、一切妥協しない姿勢が伺えます。
日本独自の風味で世界を魅了する!「和」×「台湾茶」の融合
斉木さんの強みは、日常生活のあらゆる場面からヒットの種を見つけ出す観察眼にあります。スーパーのバイヤーである父の影響で培われた感覚を武器に、コンビニや他店の商品を徹底的にリサーチされているそうです。常に流行の一歩先を見据える彼女が今、注力しているのが、日本独自の食材を活かした「和のアレンジティー」の開発です。
2019年の秋に登場した「タピオカほうじ茶マロン」は、その代表例と言えるでしょう。ほうじ茶は茶葉を強火で焙煎した日本発祥のお茶で、特有の香ばしさが特徴です。台湾では馴染みの薄い栗とほうじ茶の組み合わせを、粘り強いプレゼンで台湾本部に認めさせたエピソードからは、彼女の強い信念と開発者としての誇りが感じられます。
甘酒や「あまおう」など、日本の四季を感じさせるメニューは、新規顧客の裾野を広げる重要な役割を果たしています。スターバックスがコーヒー文化を根付かせたように、お茶カフェを日常のインフラにしたいという彼女の夢は、着実に現実のものとなりつつあります。一人の開発者が紡ぐお茶の物語が、私たちの日常をより豊かに彩ってくれることでしょう。
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