エンターテインメントの聖地、東京ドームがかつてない活気に沸いています。株式会社東京ドームが発表した2019年2月1日から2019年10月31日までの連結決算によれば、営業利益が前年同期比で約1割も増加し、3年ぶりに100億円の大台を突破する見通しとなりました。この躍進の背景には、スポーツとエンタメの両輪が見事に噛み合った理想的な運営状況があると言えるでしょう。
まず特筆すべきは、本拠地を置くプロ野球・読売ジャイアンツの圧倒的な活躍です。2019年はリーグ優勝を果たし、クライマックスシリーズ(CS)を4試合、さらに日本シリーズを2試合も東京ドームで開催しました。前年は本拠地でのポストシーズン開催がなかったため、この計6試合がもたらした約9億円の増収は、まさにホームチームの勝利が収益に直結した形となりました。
「嵐」活動休止前の熱狂が物販を牽引
一方で、音楽シーンがもたらした経済波及効果も無視できません。特に2020年末をもって活動休止を控えている人気グループ「嵐」のコンサートは、凄まじい反響を呼んでいます。開催日数自体は前年を下回ったものの、ファンの熱量は高く、受託販売されたオリジナルグッズの売れ行きが収益を大きく押し上げました。SNSでも「物販の列が凄まじい」「記念に全部買い占めた」といった声が溢れています。
「受託販売」とは、アーティスト側から委託を受けてグッズを販売する形態を指しますが、東京ドームはこのノウハウに長けており、サザンオールスターズなど大物アーティストの公演でも好調な物販収入を記録しました。また、2019年3月にオープンした静岡県の「ATAMI BAY RESORT KORAKUEN」の先行投資費用も、このドーム事業の好調が見事にカバーしています。
編集者の視点から見れば、今回の好決算は単なる運ではなく、体験型消費へのシフトに成功した結果だと感じます。ネット配信が普及する現代だからこそ、球場でしか味わえない興奮や、コンサート会場で手にする実物グッズへの価値が高まっているのでしょう。スポーツの勝敗が街を潤し、アイドルの存在が巨大施設の経営を支える。2019年の東京ドームは、まさに日本文化の勢いを象徴する場所となっています。
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