パ・リーグを制覇した西武ライオンズにとって、あまりにも残酷な結末が待っていました。2019年10月13日、クライマックスシリーズ(CS)ファイナルステージにおいて、王者のプライドを胸に挑んだ西武でしたが、ソフトバンクの圧倒的な攻撃力を前に力尽きました。ファンが詰めかけた球場には、勝利を信じる熱気と、どこか不穏な空気が入り混じっていたのです。
このシリーズを通じた西武の失点数は、なんと1試合平均8点という驚異的な数字に達しました。4試合で合計32失点を喫した投手陣の崩壊は、辻監督に相手打線の破壊力を認めさせるに十分な破壊力を持っていたといえるでしょう。「シーズン中にこれほど隙のない打線は見たことがない」と語る指揮官の言葉からは、なす術なく打ち込まれた悔しさが滲み出ています。
試合が動いたのは2019年10月13日の6回でした。メヒア選手のソロホームランで1点差に詰め寄り、逆転の機運が高まった直後のことです。ソフトバンクの今宮選手に痛恨の2ランホームランを浴び、再び突き放される展開となりました。SNS上では「ここでの被弾は痛すぎる」「またしても今宮にやられた」と、ライオンズファンの悲痛な叫びがタイムラインを埋め尽くしました。
それでも、西武自慢の「山賊打線」への期待は消えませんでした。8回にはランナー2人を置いて、再びメヒア選手が打席に立ちます。ここで3ランが飛び出せば一気に1点差という極限の場面、球場全体のボルテージは最高潮に達しました。しかし、無情にもバットは空を切り、見逃し三振。この瞬間に、ソフトバンクの背中はあまりにも遠いものへと変わってしまったのです。
主力流出を乗り越えた優勝の価値と、指揮官の誇り
試合後、辻監督は「非常に残念。ファンと一緒に日本シリーズへ行きたかった」と沈痛な面持ちで語りました。今季の西武は、エースの菊池雄星投手がメジャーへ移籍し、打の要であった浅村栄斗選手も楽天へ去るという、戦力的に極めて厳しい状況からスタートしました。専門家からも苦戦を予想する声が多く上がる中で、リーグ連覇を成し遂げた手腕は称賛に値します。
ここで「クライマックスシリーズ」という制度について解説しましょう。これはレギュラーシーズンの上位3チームがトーナメント形式で日本シリーズ進出を争うポストシーズン制度です。リーグ優勝チームには1勝のアドバンテージが与えられますが、短期決戦ゆえに勢いに乗った下位チームに「下克上」を許してしまうリスクも孕んでいる、スリル満点の戦いなのです。
辻監督は、選手たちの奮闘を称えることを忘れませんでした。「リーグ優勝を最大の目標に掲げて戦い抜いた。選手たちは自分たちの成し遂げたことを誇りに思っていい」と、前を向いて気丈に話しました。この言葉には、現場の全力を出し切ったという確かな自負が込められています。敗戦の影に隠れがちですが、困難な状況下でのペナント制覇は間違いなく偉業でした。
個人的な見解を述べさせてもらえば、短期決戦の怖さが凝縮されたシリーズだったと感じます。西武の強力打線を封じ込めたソフトバンクの集中力は凄まじいものでしたが、それ以上に、エースや主砲が抜けた穴を埋めて優勝まで導いた西武の団結力こそが、2019年のパ・リーグの主役であったと確信しています。この悔しさが、来季のライオンズをさらに強くするはずです。
コメント