中国景気減速で鉄鋼市況に激震!2年5カ月ぶり安値が日本の製造業に落とす影とSNSの反応

アジアの鉄鋼市場に冷たい風が吹き抜けています。自動車や家電の骨格となる「熱延コイル」の価格が、2019年10月12日現在、一段と下落しました。熱延コイルとは、鉄鉱石を高温で熱して圧延した鋼板の母材で、産業の米とも呼ばれる重要な資材です。東アジアでの取引価格は1トン515ドル前後まで沈み込み、夏場と比較して約7%も下落しています。これは約2年5カ月ぶりの低水準であり、業界内では先行きを不安視する声が日増しに強まっている状況です。

この冷え込みの主因は、巨大市場である中国の景気減速が鮮明になったことにあります。2019年8月31日に発表された中国の製造業購買担当者景気指数(PMI)は49.5と、好不況の境目である50を3カ月ぶりに下回りました。PMIとは企業の購買担当者にアンケートを行い、景況感を指数化した指標です。この数字が悪化したことで「中国の需要がさらに減るのではないか」という悲観論が市場を支配し始め、8月下旬から価格の下落スピードが加速する事態となっています。

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止まらぬ増産と安値の連鎖が日本を直撃

需要が細る一方で、中国メーカーの生産ラインは止まりません。鉄鉱石から鉄を取り出す「高炉」は一度火を入れると簡単には止められない性質があり、供給過剰の状態が続いています。行き場を失った鋼材は、元安の影響も相まってアジア全域へ低価格で流れ出しています。SNS上では「鋼材価格の下落で製品コストが下がるのは助かるが、世界経済の冷え込みが怖すぎる」といった、メリットよりも先行きへの不透明感を嘆くユーザーの声が目立っているようです。

さらに深刻なのは、この安値攻勢が日本市場にも波及している点でしょう。韓国やインド、さらには欧州景気の悪化を受けたトルコやロシア製の安価な鉄鋼までもが東南アジア市場に流入し、価格競争を激化させています。日本の鉄鋼メーカーが得意とする高品質な製品でさえ、アジア相場の急落に引きずられ、成約が極めて困難な状況に陥っています。日本の輸出価格は運賃を除くと1トン500ドルを割り込むケースも出始めており、まさに異常事態と言えます。

私個人の見解としては、今回の市況悪化は単なる価格変動ではなく、構造的なリスクを露呈したものだと感じます。特定の国、特に中国の需要に依存しすぎることの危うさが改めて浮き彫りになりました。日本企業はコスト競争力だけでなく、供給先の多角化や、付加価値の高い特殊鋼へのシフトをより一層加速させる必要があるでしょう。現状、国内の薄鋼板在庫は2019年8月末時点で456万トンと高止まりしており、内需だけでこれを解消するのは至難の業です。

日本の鉄鋼大手からは「海外からの低価格品の流入が国内需給を壊しかねない」と警戒の眼差しが向けられています。実際、2019年8月には安価な輸入品の存在感が強まっており、国内市況への悪影響は避けられない見通しです。現時点では中国政府による大規模な景気刺激策など、市場を反転させるような「特効薬」は見当たりません。鉄鋼業界は今、荒波の中でじっと耐え忍びながら、次の一手を模索する極めてタフな局面を迎えていると言えるでしょう。

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