今、フランス・パリの街角で、日本の魂とも言える「ラーメン」が驚くべき進化を遂げています。2019年09月23日現在、現地で熱狂的な支持を集めているのが、フランス人オーナーが手掛ける「こだわりラーメン(Kodawari Ramen)」です。店主のジャン・バティスト・ムニエ氏は、かつて戦闘機を操っていたという異色の経歴の持ち主ですが、その情熱のベクトルは今、完璧な一杯を追求することに向けられています。
ムニエ氏は日本へ渡って修行を積み、本場の技術を徹底的に吸収しました。そのこだわりは並大抵ではなく、なんと麺の原料となる小麦から自家栽培しているというから驚きです。ラーメンに最適な特殊な品種を育て、古くからの手法で製粉した小麦粉を使うことで、唯一無二の自家製麺を生み出しています。SNSでは「フランスでこれほど本格的な麺に出会えるなんて」と、驚きと称賛の声が相次いで投稿されています。
食材選びにも一切の妥協はありません。フランス南西部ランド県産の高品質な雌鶏や、漁港から直送される新鮮な魚介など、フランス国内の最高級品を厳選して使用しています。一方で、味の決め手となる醤油や昆布、煮干しといった調味料は、日本の一流職人が手掛けるブランド品を輸入する徹底ぶりです。化学調味料を一切使用しない「無化調(むかちょう)」のスープは、素材本来の深いコクと旨味を存分に堪能させてくれるでしょう。
パリの真ん中に現れた「築地」と「横町」の異空間
味だけでなく、店内に一歩足を踏み入れた瞬間に広がる「日本」の風景も、多くの人々を虜にする要因の一つです。2018年にオープンした1号店「Yokochō(横町)店」に続き、2019年05月には、ムニエ氏が愛してやまない旧築地魚市場を再現した「Tsukiji(築地)店」が産声を上げました。内装の家具や細かな装飾品は、オーナー夫妻が何度も日本へ足を運び、自分たちの足で探し出した本物ばかりが並んでいます。
鮮魚系ラーメンに特化した築地店では、まるで日本の市場に迷い込んだかのような活気と情緒を味わえるはずです。メニューは全7種類のラーメンに加え、10種類のトッピング、さらには和風の前菜やデザートまで用意されています。一杯12ユーロから15ユーロ(約1400円から1750円)という価格設定ですが、そのクオリティの高さを考えれば、連日満席になるのも頷ける結果と言えるのではないでしょうか。
個人的な見解を述べさせていただくと、この「こだわりラーメン」の成功は、単なる日本文化の模倣ではなく、フランスの優れた食材と日本の伝統技術を高い次元で融合させた点にあります。元パイロットらしい緻密な計算と、日本への深い敬意が、パリジャンの舌を唸らせる至高の一杯を作り上げたのでしょう。世界各地でラーメンが愛される今、こうした「本物」を追求する店が、文化の架け橋となっているのは非常に喜ばしいことです。
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