2019年12月18日の香港株式市場において、スマートフォン向けカメラ部品の製造で知られる高偉電子控股(コウェル・イー・ホールディングス)の株価が劇的な上昇を見せました。終値は前日比15.48%高の1.79香港ドルを記録し、取引時間中には一時1.87香港ドルまで到達しています。これは約7カ月ぶりの高値水準であり、市場には驚きと期待が広がったと言えるでしょう。
今回の急伸を後押ししたのは、同社が発表した2019年12月期の業績見通しです。2019年1月1日から2019年11月30日までの運用実績を基にした推計によれば、純利益が前期を上回る見込みであることが判明しました。主力事業であるカメラモジュールの販売が好調に推移したことに加え、徹底したコスト管理が功を奏した形です。
SNS上では「リンゴ銘柄(アップル関連株)に春が来た」「米中摩擦の懸念を跳ね返す強気の見通しだ」といったポジティブな声が多く見受けられます。カメラモジュールとは、レンズやセンサーを一体化させたスマホの「目」にあたる重要パーツのことですが、この高度な技術力が同社の収益を支えている点は、投資家にとっても非常に魅力的な判断材料となったはずです。
米中貿易摩擦の荒波を乗り越える高偉電子の底力
実は2019年12月5日時点の株価は、一時1.09香港ドルまで落ち込んでいました。同社は米アップル社を主要顧客としており、中国国内で生産を行っているため、米国による対中追加関税「第4弾」の影響をまともに受けるとの不安が広がっていたからです。4月の年初来高値から4割以上も下落した背景には、こうした国際情勢の不透明感がありました。
しかし、今回示された力強い利益改善の見通しは、そうした悲観論を払拭するに十分なインパクトを与えたと私は考えます。地政学的なリスクは依然として無視できませんが、生産効率の向上や需要の拡大といった企業努力が、マクロ経済の逆風を凌駕した瞬間と言えるでしょう。2020年3月末までに予定されている本決算の発表が、今から非常に待ち遠しいですね。
個人的な見解としては、スマホカメラの多眼化トレンドが続く中、同社のような専門メーカーの役割はさらに重要になると見ています。米中関係のニュースに一喜一憂する局面は今後も続くでしょうが、実績に裏打ちされた業績の回復は、長期的な信頼に繋がるはずです。アジア市場の注目銘柄として、同社の動向からはしばらく目が離せそうにありません。
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