【2020年度沖縄予算】一括交付金は過去最低の1014億円に。首里城再建やゆいレール3両化の光と、進む「県外し」の懸念

政府が2019年12月20日に閣議決定した2020年度予算案において、沖縄振興費の総額は3年連続で同額となる3010億円となりました。一見すると横ばいの安定した数字に見えますが、その中身を紐解くと、沖縄県が直面している厳しい政治的・経済的な現実が浮き彫りになってきます。特に、県が自由な裁量で使い道を決められる「一括交付金」が過去最低の1014億円まで削られたことは、地元に大きな衝撃を与えているようです。

一括交付金とは、沖縄の自立的な発展を促すために2012年度に創設された仕組みで、使途の自由度が極めて高いのが特徴です。県が市町村と連携して柔軟に予算を配分できる「命綱」のような資金ですが、これが6年連続の減少となりました。SNS上では「地元の実情に合わせた施策が打ちにくくなる」「基地問題による国からの報復措置ではないか」といった、将来の自治の在り方を危惧する切実な声が数多く寄せられています。

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深まる「県外し」の構図と特定事業推進費の影

今回の予算編成で注目すべきは、沖縄振興特定事業推進費が前年度比83%増の55億円へと急増した点でしょう。この制度は、県を経由せずに国が直接市町村へ予算を届ける仕組みです。地方自治の原則を考えれば、県を通さない予算配分は異例の事態といえます。本来、地域全体のバランスを俯瞰して調整するのが県の役割ですが、この「県を飛び越える」手法には、国と玉城デニー知事との対立構造が色濃く反映されていると言わざるを得ません。

実際に2020年5月か6月には沖縄県議選という大きな節目を控えており、政府が予算の蛇口をコントロールすることで、政治的な揺さぶりをかけているとの見方も強まっています。米軍普天間基地の辺野古移設を巡る溝は深く、予算の配分方法にその「温度差」が如実に表れているのが現状です。編集部としては、振興予算が政治的な駆け引きの道具として使われるのではなく、あくまで県民の生活向上のために純粋に使われるべきだと強く感じています。

首里城再建と進化するインフラへの期待

一方で、県民にとって希望となる明るいニュースも盛り込まれました。2019年10月に発生した火災で焼失した首里城の再建に向け、約10億円相当の関連費用が確保されています。これは正殿などの復元に向けた調査や解体作業に充てられる予定で、沖縄の象徴を取り戻すための第一歩となるでしょう。また、那覇市内を走る「ゆいレール」の3両編成化に向けた補助制度も新設され、深刻な混雑解消と観光需要への対応が加速する見通しです。

さらに、次世代を見据えた投資も着実に進んでいます。沖縄科学技術大学院大学(OIST)には203億円が投じられるほか、2024年度の完成を目指す健康医療拠点整備には89億円が計上されました。離島への海底送電ケーブル整備やテレワーク拠点の構築といった新規事業も始まります。予算の配分手法には課題が残るものの、首里城の復興や先端技術の育成といった沖縄の「未来」を形作るプロジェクトが、一日も早く結実することを願ってやみません。

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