創薬の未来を変える「ミニ肝臓」の新展開!札幌医科大学が胆管接続の再現に成功、安全性試験の精度向上へ

私たちの生命を維持するために欠かせない「肝臓」は、体内の化学工場とも呼ばれるほど多機能な臓器です。2019年12月11日、札幌医科大学の谷水直樹准教授らの研究チームが、この肝臓の機能を驚くほど精密に再現した「ミニ肝臓」の開発において、画期的な一歩を踏み出したことが明らかになりました。

これまでの研究でも、細胞を立体的に培養したミニ臓器の制作は行われてきましたが、今回の成果は一味違います。なんと、肝細胞が分泌した胆汁を運び出す「毛細胆管」と、さらに太い「胆管」を、本物の臓器さながらに接続させることに成功したのです。

このニュースに対し、SNS上では「ついにここまで来たか」「新薬の開発が加速しそう」といった驚きと期待の声が広がっています。特に、動物実験を減らせる可能性や、より人間に近い環境での毒性試験ができる点に、多くの専門家やユーザーが注目を寄せているようです。

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創薬の壁を打破する「毛細胆管」の驚異的な機能

新薬の開発現場において、最大の難関の一つが「肝毒性」のチェックです。薬の候補が肝臓で分解される際、もし有害な物質が発生すれば、細胞が分泌する胆汁が毒性を帯びてしまいます。これが適切に排出されないと、倦怠感や吐き気といった深刻な肝障害を引き起こす原因となります。

ここで解説しておくと、「毛細胆管」とは肝細胞の間に網目状に張り巡らされた非常に細い管のことで、分泌された胆汁を回収する重要な役割を担っています。今回のミニ肝臓は、このミクロの輸送路が太い胆管へと繋がっているため、実際の排泄プロセスを忠実に再現できるようになったのです。

これまでは肝がん由来の細胞株が試験に用いられてきましたが、本来の肝機能とは乖離があるという課題を抱えていました。しかし、谷水准教授らがマウスの細胞を駆使して作り上げたこの新モデルは、約1カ月もの間、安定して分泌機能を維持することに成功しています。

医療の質を高める新たな検査ツールとしての期待

研究チームが、赤血球の老廃物である「ビリルビン」を用いて実験を行ったところ、水溶化された物質が正しく胆管へ流れ込む様子が確認されました。これは、ミニ肝臓が「取り込み・代謝・排泄」という一連のサイクルを、生物学的に正しく遂行している証拠だと言えるでしょう。

私個人としては、この技術が実用化されれば、製薬企業は開発の初期段階で精度の高い判断が可能になると確信しています。毒性があるものを早期に見極めることができれば、無駄な投資を抑え、本当に有効な薬だけをスピーディーに患者さんの元へ届けることが可能になるはずです。

今後は、ヒトの細胞を用いた培養や、他の細胞種を組み合わせた更なる高度化が目指されます。2019年12月現在のこの進歩は、将来的に人工臓器による移植医療だけでなく、私たちの健康を支える「薬」の作り方そのものを根本から進化させていくに違いありません。

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