2019年12月11日、大阪の行政の仕組みを根底から変える「大阪都構想」が、大きな転換点を迎えました。大阪府と大阪市の枠組みを再編し、特別区を設置することを目指すこの構想を巡り、推進派の大阪維新の会と慎重姿勢だった公明党が、ついに制度設計の修正案で大枠合意に達したのです。
この合意により、2019年12月26日に開催される法定協議会(法定協)での了承は確実な情勢となりました。法定協とは、自治体の再編など特定の目的のために法律に基づいて設置される話し合いの場のことです。ここで案がまとまれば、2015年以来となる、運命の2度目の住民投票がいよいよ2020年11月にも現実味を帯びてきます。
住民サービスの維持を最優先!歩み寄った財源配分の中身
今回の合意で最大の焦点となったのが「お金の配分」です。もともとの案では、大阪市の業務を府へ移す際、約2000億円の税収を府に移転させる計画でした。これに対し公明党は、教育や福祉といった住民に近いサービスが低下しないよう、新しく誕生する「特別区」へ手厚く配分することを強く求めていました。
歩み寄りの結果、府から特別区に対して10年間にわたり毎年20億円規模を追加配分することが決まりました。これは庁舎の整備やシステム改修といった「初期コスト」を支えるための支援金です。さらに、高校の運営権が府に移った後も、浮いた予算を特別区が自由に使えるようにするなど、年間37億円規模の財源が上積みされることになりました。
SNSでは「ようやく話が前に進んだ」という期待の声がある一方で、「20億円の上積みで本当に足りるのか」という慎重な意見も見られます。しかし、吉村洋文知事が「公明党の意見を取り入れ、より良い案になった」と語る通り、両者の歩み寄りは都構想の実現に向けた決定的な一歩と言えるでしょう。
カジノ収益の分配や将来のスケジュールは?
さらに注目すべきは、誘致を目指している統合型リゾート(IR)の収益分配です。年間約700億円と見込まれるカジノ収益のうち、半分を大阪府が受け取り、残りを人口に応じて4つの特別区で分けることで一致しました。巨大な利益が地域の発展に直接還元される仕組みが、公明党の求める4つの条件をクリアする鍵となったのです。
一方で、自民党や共産党からは「議論が強引だ」という批判の声も上がっており、議場では激しい火花が散っています。しかし、維新と公明が手を握った今、流れを止めるのは容易ではありません。今後は2020年1月から具体的な協定書の作成に入り、春には住民の声を聴く「出前協議会」も開催される予定です。
私個人としては、この二大政党の合意は「二重行政の解消」という大義に向けた現実的な妥協点だと感じます。理想を掲げる維新と、生活者の視点を守ろうとする公明。この対立が化学反応を起こし、より洗練された「新しい大阪」の形が見えてきたのではないでしょうか。2020年、私たちは再び、自分たちの街の形を自らの手で選ぶことになります。
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