2019年12月25日、帝国データバンク金沢支店が北陸3県における11月の企業倒産集計(負債額1000万円以上)を公表しました。調査結果によると、倒産件数は前年の同じ月と比べて16.7%増加し、合計14件に達しています。数字だけを見ると増加傾向にあるように感じられますが、負債総額については前年同月比で60.7%も減少した11億4000万円に留まりました。
今回の調査で特筆すべき点は、倒産件数の約7割が個人経営や資本金1000万円未満という小規模な事業者に集中していることです。いわゆる「小康状態(しょうこうじょうたい)」、つまり病気や事態が悪化せず、ひとまず落ち着いている状況が続いていると分析されています。しかし、大規模な倒産が抑えられている一方で、地域に根差した小さな商店や会社がひっそりと幕を閉じている現状は無視できません。
SNS上では「地元の馴染みの店がなくなるのは寂しい」「人手不足や消費増税の影響がじわじわ来ているのではないか」といった、現場の切実な声が散見されます。統計上の数字は穏やかに見えても、経営者の高齢化や後継者不在といった構造的な問題が、北陸のビジネスシーンに暗い影を落としているようです。私たち消費者は、地域の産業を支える小さな力に、より目を向ける必要があるでしょう。
県別・業種別の詳細データから読み解く北陸経済の現在地
県別の内訳を確認すると、富山県が3件、石川県が5件、そして福井県が6件という結果になりました。各県ともに爆発的な増加は見られないものの、福井県での件数がやや目立つ形となっています。業種別では、私たちの生活に密接に関わる「小売業」が4件と最も多く、次いで建設業とサービス業がそれぞれ3件、さらに製造業と卸売業が2件ずつという内訳です。
ここで注目したい「小売業」や「サービス業」の苦境は、地方経済の冷え込みをダイレクトに反映していると言えます。特に北陸地方では、冬の本格的な需要期を前にして、経営体力が限界に達してしまうケースも少なくありません。編集者としての私見ですが、倒産件数が横ばいだからと安心するのではなく、水面下で進む「事業承継(じぎょうしょうけい)」の課題解決にこそ、今後は注力すべきではないでしょうか。
事業承継とは、会社の経営権や理念を次の世代へと引き継ぐプロセスを指しますが、これがスムーズにいかないために廃業を選ぶケースが後を絶ちません。2019年11月のデータが示す「小規模倒産の多さ」は、まさに地域の担い手が不足していることへの警鐘だと感じます。これからの北陸経済が活力を取り戻すためには、新しい挑戦を支える金融支援や、デジタル化による効率化が急務と言えるでしょう。
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