シニアツアーで輝き続ける田村尚之の矜持|長尺パターに頼らない技術と父としての決意

2019年もいよいよ幕を閉じようとしていますが、今年のゴルフ界を象徴する存在といえば、やはり「スマイリング・シンデレラ」こと渋野日向子選手でしょう。広島の隣県である岡山出身という親近感に加え、彼女の圧倒的な体幹の強さには目を見張るものがありました。渋野選手は自身の飛躍を「謎」と称しましたが、私にとってのゴルフの謎は、長年向き合い続けているパッティングにあります。

パターに苦悩する選手の中には、安定感を求めて長尺パターやクロスハンド(左右の手を通常とは逆にして握る手法)に活路を見出す人も少なくありません。しかし、私はあえてその選択肢をとりません。長尺を使うことは、自ら「パットが苦手です」と宣言しているようで、心理的に抵抗があるのです。また、クロスハンドにしない理由は、私の「利き目」が右目であるという身体的な特性に由来しています。

私はボールを右足寄りに置く「ハンドレート」の構えをとります。これにより利き目である右目の真下にボールを配置できるのですが、手を入れ替えるとボール位置が左へ寄り、視界のバランスが崩れてしまうのです。SNSでは「自分の特性を理論的に理解しているからこそのこだわり」と、この職人気質な姿勢に共感する声が寄せられています。独自のスタイルを貫く美学こそ、プロの醍醐味と言えるでしょう。

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拡大するシニアツアーと家族への想い

日本プロゴルフ協会(PGA)の発表によると、2020年度のシニアツアーは2019年と同様に18試合が開催される予定です。私がプロ転向した2014年当時は年間11試合でしたから、市場の盛り上がりには感謝しかありません。広島の大先輩である倉本昌弘会長に誘われてプロの世界に飛び込んだ当初は、5年も続けば上出来だと考えていました。しかし、気づけば6年目の今季も賞金ランキング12位で見事にシード権を確保しています。

今後は、日本シニアオープンでの4位入賞という実績を糧に、お世話になった日本ゴルフ協会へ「優勝」という最高の形で恩返しをしたいと考えています。同時に、私を突き動かしているのは家族の存在です。社会人として歩み出した娘や、大学のゴルフ部で汗を流す息子の姿は大きな刺激になります。息子が大学を卒業するまでのあと3年、戦い続ける背中を見せることで、父親としての威厳を証明したいと強く願っています。

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