埼玉県が発表した2020年度の予算要求状況が、大きな話題を呼んでいます。一般会計の総額は、2019年度の当初予算から6.3%も跳ね上がり、なんと2兆75億円という膨大な規模に達しました。埼玉県が予算要求の公表を開始した2008年度以降、2兆円の大台を突破するのは今回が初めての出来事であり、県の財政運営が新たな局面を迎えたことを象徴していると言えるでしょう。
今回の予算膨張の裏側には、私たちの生活に直結する大きな変化が隠されています。特に影響を与えているのが、2019年10月1日に実施された消費税率の引き上げです。「地方消費税清算金」という、都道府県間で消費税の配分を調整するお金が増加したことに加え、教育現場を支える教職員の給与費が全体を押し上げる形となりました。インフラ維持や福祉の充実には欠かせない資金ですが、その規模の大きさに驚きの声も上がっています。
膨らむ福祉と事務コスト、大野知事の舵取りに注目
部局別の内訳を覗いてみると、最も伸びが顕著だったのは総務部です。前年度比664億円増の4276億円に達しましたが、これは国の税制改正による「法人事業税市町村交付金」の増加などが主な要因となっています。聞き慣れない言葉ですが、これは県が徴収した税金の一部を市町村に配分する仕組みのことで、地域格差を是正するための大切なプロセスです。自治体間の連携を強化する姿勢が、数字からも見て取れるのではないでしょうか。
さらに、避けて通れないのが少子高齢化への対応です。福祉部の要求額は163億円増の2553億円となっており、特に介護保険の負担を支えるための費用が重くのしかかっています。SNS上でも「将来の増税が心配」「サービスが維持されるなら納得」といった、不安と期待が入り混じった意見が散見されました。誰もが安心して暮らせる社会を作るためには、こうした社会保障費の適切な配分が、これまで以上にシビアに求められるはずです。
今後のスケジュールとして、2020年1月下旬には大野元裕知事による厳正な予算審査が行われる予定です。その後、2月定例県議会への予算案提出を経て、私たちの税金の使い道が最終的に決定されます。一編集者の視点としては、単に予算を拡大させるだけでなく、ICTの活用や行政の効率化によって、いかに一円あたりの「住民満足度」を高められるかが、今後の埼玉県の命運を握ると考えています。
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