2019年12月27日現在、水泳界に激震が走っています。長野県東御市の湯の丸高原に、日本初となる待望の高地トレーニング用プールがこの秋に完成を迎えました。標高約1750メートルという、雲に近い場所で心肺機能を鍛え上げるこの施設は、東京五輪でのメダルラッシュを狙う競泳日本代表にとって、まさに「勝利への聖地」となる予感が漂っています。
完成直後の12月上旬には、エースの瀬戸大也選手を筆頭にナショナルチームが合宿を敢行しました。SNS上では「ついに日本にも本格的な高地拠点が!」とファンから期待の声が続出しています。選手たちからも、これほどまでに水泳へ没頭できる環境は他にないと、極めて高い評価を得ているのが印象的です。
海外遠征の壁を打破!国内随一のトレーニング環境
そもそも高地トレーニングとは、酸素の薄い環境で運動を行うことで、赤血球の数を増やし、スタミナの源となる酸素運搬能力を向上させる手法のことです。これまではアメリカのアリゾナ州やスペインなど、標高2000メートルを超える海外へ赴くのが常識でした。しかし、長時間の移動や時差、さらには食事の管理といった課題が、選手たちの大きな負担となっていたのです。
今回誕生した施設は、東京から車で約3時間という好立地にあります。水深2メートルの本格的な50メートルプールのほか、最新のウエートルームや栄養管理の行き届いた食堂付き宿泊施設、さらには陸上トラックまで併設されています。2019年10月の完成により、選手たちは国内にいながらにして、時差ストレスゼロで限界まで体を追い込むことが可能になりました。
私は、この「国内拠点」の誕生こそが日本競泳界の分岐点になると確信しています。いくら施設が良くても、海外での慣れない食生活でコンディションを崩しては本末転倒です。日本人の口に合う食事と、清潔で安心な環境が約束された湯の丸高原は、メンタル面でも選手を強力にバックアップするに違いありません。
早くも証明された効果!瀬戸大也選手が世界新記録を樹立
驚くべきことに、その効果はすでに数字となって表れています。2019年12月20日、国際水泳リーグの決勝大会において、瀬戸大也選手が男子400メートル個人メドレーで短水路の世界新記録を打ち立てるという快挙を成し遂げました。本人も「きついけれど、体が動くので練習が面白い」と、その手応えを熱く語っています。
また、女子のエース大橋悠依選手も、12月11日まで行われた合宿の直後にオーストラリアの大会で好タイムをマークしました。7月の世界選手権の記録に迫る泳ぎを見せ、「東御でガツガツ追い込めた結果」と笑顔を見せています。科学的な裏付けに基づいた高地での負荷が、選手たちのポテンシャルを見事に引き出していると言えるでしょう。
現時点では市の財政事情により、2019年から10年間の期間限定運用とされています。しかし、平井伯昌監督が語るように、この施設を一つの「最強の武器」として使いこなせば、来たる2020年の夏、私たちは表彰台の真ん中で輝く選手たちの姿を何度も目にすることになるはずです。この場所から、日本のスポーツ史に残る伝説が始まろうとしています。
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