雄大なアルプスを背景に、風を切って走る喜びは格別なものです。2019年12月12日、長野県では自転車を核とした新たな観光スタイルを官民が手を取り合って推進する「サイクルツーリズムフォーラム」が開催されました。この取り組みは、単なる移動手段としての自転車ではなく、地域の風景や文化を五感で楽しむ旅の形を目指しています。
フォーラムの場では、日本を代表するマウンテンバイク選手であり、現在は協議会「ジャパンアルプスサイクリングプロジェクト」の代表を務める鈴木雷太氏が、阿部守一知事と熱い議論を交わしました。プロの視点から語られる提案は非常に具体的で、現場を知るからこその重みがあります。SNS上でも「信州の絶景を自転車で走れるのは最高」といった期待の声が広がっています。
鈴木氏は、サイクリストが安全に走行するためには、特にトンネル内の照明整備といったインフラの改善が不可欠であると強く訴えました。これに対し、阿部知事も「安全な道路環境を整えることは最優先事項である」と同調し、県を挙げたサポートを約束しています。行政のトップが直接現場の課題に向き合う姿勢は、プロジェクトの実現性を大いに高めるでしょう。
ここで注目される「サイクルツーリズム」という言葉ですが、これは自転車(サイクル)と観光(ツーリズム)を組み合わせた造語です。環境に優しく、健康増進にも繋がることから、世界中でブームとなっている新しい旅の形を指します。自動車では通り過ぎてしまうような細い道や隠れた名所を発見できるのが、このレジャーの最大の魅力といえるでしょう。
長野県が描くビジョンは非常に壮大で、2022年度までに県内を縦横無尽に巡る、全長約700キロメートルにも及ぶ広大な周遊ルートを完成させる計画です。フォーラムでは先行事例として四国などの先進的な取り組みも紹介され、地域全体でサイクリストを歓迎する体制づくりが急ピッチで進められています。
個人的な視点になりますが、長野県の起伏に富んだ地形は、初心者には少しハードルが高く感じられるかもしれません。しかし、近年の「E-BIKE(電動アシスト付きスポーツ自転車)」の普及により、体力に自信がない方でも峠越えを楽しめるようになっています。こうしたハード・ソフト両面での進化が、長野を世界に誇る自転車観光の拠点へ変えるはずです。
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