2020年3月の次世代通信規格「5G」商用サービス開始を控え、通信業界が熱を帯びています。KDDIで今、最も注目を集めるプロジェクトの一つが、米フェイスブックと連携した拡張現実、いわゆる「AR」技術の開発です。この革新的な事業を牽引しているのが、プロダクト開発1部で事業開発マネージャーを務める下桐希さんでしょう。
ARとは、現実の風景にデジタル情報を重ね合わせて表示する技術を指します。例えば、スマートフォンのカメラを店舗の商品に向けると、画面上に現れたアバターが商品の魅力を解説し、そのまま決済まで完了するという驚きの体験が可能になるのです。ネット上では「SF映画のような世界がいよいよ現実になる」と、期待の声が数多く寄せられています。
下桐さんは2019年4月に、新規事業開発に特化した専門人材としてKDDIへ入社しました。この採用枠は「年齢や国籍を問わず、給与上限なし」という極めて異例の条件で設けられたもので、彼女はその第1号となります。映像制作会社の設立や、ぐるなびでの決済サービス立ち上げなど、常に最前線を走り続けてきた経歴が、今の機敏な動きを支えているのでしょう。
今回の連携では、人気アプリ「インスタグラム」を活用し、化粧品を自分の顔で試したり、洋服をバーチャルで試着したりする仕組みも構想されています。データ容量の大きい高精細な映像をスムーズに動かすには、5Gの「高速・大容量」という特性が不可欠です。まさに、5Gの普及がAR市場を爆発的に広げる起爆剤になると考えられます。
スピード感あふれる挑戦が通信の枠を超えていく
入社から半年余りが経過した2019年12月現在、下桐さんは北米などの海外出張をこなし、同僚と顔を合わせるのが週に1回という多忙な日々を送っています。組織の壁を越えてスピード感を持って進む彼女のスタイルに対し、社内からは「立ち上がりが劇的に早まった」と賞賛の声が上がっているようです。
私は、こうした外部の「新しい風」を積極的に取り入れるKDDIの姿勢こそ、日本の大企業が停滞を打破する鍵になると確信しています。既存の枠組みに縛られない自由な発想と、他業種との積極的な連携がなければ、5Gという巨大なインフラを真に人々の生活を豊かにする道具へと昇華させることは難しいからです。
現在はまだ「あらゆるモノがネットにつながるIoT」などの法人向けサービスが先行していますが、下桐さんは「消費者が5Gを体感できる場面を増やしたい」と意気込みます。5年、10年先の未来を見据え、私たちは今まさに新しい時代のスタートラインに立っているのです。彼女が描くARの未来図が、私たちの日常をどう彩るのか楽しみでなりません。
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