不動産デベロッパーの巨頭、森トラストが今、これまでの常識を打ち破る大胆な挑戦に打って出ています。彼らが注目しているのは、最先端の技術を持つスタートアップ企業への積極的な出資です。2020年01月03日現在、その投資先はすでに15社に達しており、ロボットから人工衛星、果ては医療分野まで、不動産業の枠を超えた多岐にわたる領域でイノベーションを巻き起こそうとしています。
SNS上では「ビルの中にロボットがいる未来がすぐそこに来ている」「不動産会社が衛星データを使うなんてワクワクする」といった驚きと期待の声が広がっています。かつての不動産業は、単に建物を貸し出す「ハコ貸し」が主流でしたが、少子高齢化やシェアオフィスの台頭により、そのビジネスモデルは大きな転換期を迎えています。今はハード面だけでなく、ソフトやサービスで選ばれる時代へと突入したのでしょう。
最先端技術「リテック」と「ホスピテック」が変える日常
森トラストが掲げる戦略の核となるのが、不動産とITを融合させた「Re-Tech(リテック)」と、観光・ホテル分野に革新をもたらす「Hospi-Tech(ホスピテック)」です。リテックとは不動産価値をテクノロジーで最大化する手法を指し、ホスピテックは宿泊者の利便性を極限まで高める技術のことです。これらを駆使することで、スピード感を持って新たな価値を生み出すことを目指しているのです。
例えば、2019年01月から東京・神谷町のビルで実施されているデリバリーサービスは非常に画期的です。Savioke(サビオーク)社の自律走行型ロボットが、カフェで注文された商品をエレベーターに乗ってオフィスまで届けてくれます。まさにSF映画のような光景が現実となっています。将来的には、カフェメニュー以外の荷物も運ぶ構想があるようで、物流のラストワンマイルを解消する鍵になるかもしれません。
AIと衛星データで読み解くこれからの「街づくり」
さらに同社は、2019年05月に出資したメトロエンジンとともに、AIを活用した「ダイナミックプライシング」の導入も進めています。これは、ビッグデータを用いて需要と供給を予測し、ホテルの宿泊価格などを最適に変動させる仕組みです。効率的な収益管理である「レベニューマネジメント」を自動化することで、2020年中にはホテル運営の質を一段と向上させる計画を立てています。
驚くべきは、2019年07月に出資したSynspective(シンスペクティブ)との連携でしょう。彼らは自社開発の衛星を打ち上げ、地上の様子を定点観測するシステムを構築しています。これにより、広範囲な人口分布の変化や都市の発展具合をデータとして蓄積できるのです。宇宙からの視点で土地の価値を再定義するという、これまでのデベロッパーでは考えられなかった壮大なスケールの街づくりが始まろうとしています。
個人的な見解を述べれば、こうした「非連続な進化」を求める姿勢こそが、これからの日本企業に最も必要とされるものではないでしょうか。東京五輪後の景気不透明感が囁かれるなか、スタートアップの柔軟な知恵を取り込むことは、単なるリスクヘッジ以上の強固な武器になるはずです。2020年は、不動産が「場所」から「体験」へと昇華する、記念すべき1年になると確信しています。
コメント