子どもたちの健やかな成長を支える保育士の皆さんにとって、決して見過ごせないニュースが飛び込んできました。国が保育士の待遇を改善するために用意した公的な資金のうち、なんと約7億円もの巨額が本来の目的である賃金引き上げに使われていなかったことが、2019年12月21日までの会計検査院の調査によって明らかになったのです。
今回、会計検査院が2016年度から2017年度にかけての支出を詳しく調べたところ、多くの施設で適切な処理が行われていない実態が浮き彫りとなりました。SNS上では「これだけ保育士不足が叫ばれているのに、なぜ給料に反映されないのか」「現場の苦労が報われない」といった、憤りや悲しみに満ちた声が数多く寄せられています。
「処遇改善等加算」の仕組みと、なぜ未払いが生じたのか
問題の焦点となっているのは、「処遇改善等加算」と呼ばれる制度です。これは保育所や認定こども園で働く職員の勤続年数や経験に応じて、国や自治体が給与を上乗せするために支給する手当のようなものです。専門的な知識や経験を持つ保育士を正当に評価し、離職を防ぐことを目的とした「施設型給付費」の重要な一部を占めています。
本来、この加算金はその年度内に使い切るか、もし残った場合は翌年度に必ず職員の給料に上乗せして還元しなければならないという厳格なルールが存在します。しかし、全国6089施設を抽出して調査した結果、約4億6800万円分が翌年の賃金に反映されていなかったことが判明しました。さらに、約2億5100万円についても、適切に処理されたかどうかが確認できない状態です。
驚くべきことに、これらの資金が支払われなかった理由について施設側からは「失念していた」という回答が目立ったそうです。保育の質を高めるための大切な財源が、管理の甘さや忘却によって職員に届いていなかった事実は、現場の士気にも関わる深刻な事態といえるでしょう。
内閣府への改善要求と、保育現場の未来を守るために
会計検査院はこの事態を重く受け止め、制度を管轄する内閣府に対し、市町村を通じた指導や確認作業の徹底を強く求めました。これに対し内閣府は、通知の見直しや不正・ミスを防止するための新たな仕組み作りを検討する方針を示しています。制度の不備が解消され、一円残らず保育士の手元に届く仕組みの構築が急務です。
私は、今回の問題は単なる事務ミスでは済まされないと考えています。保育士の低賃金問題は社会全体で解決すべき課題であり、せっかく用意された予算が届かないことは、保育という尊い職業への敬意を欠く行為に等しいからです。管理側は「忘れていた」で済ませず、透明性の高い経営を行う責任があるでしょう。
2019年12月21日現在のこの状況が、一日も早く改善されることを切に願います。保育士が安心して働き続けられる環境が整ってこそ、子どもたちの笑顔も守られるはずです。今後の国の対応と、各自治体による厳正なチェック体制の強化に大きな期待が寄せられています。
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