おなじみのチョコレート「ガーナ」が、さらに大きな進化を遂げようとしています。株式会社ロッテの牛膓栄一社長は、2020年1月10日のインタビューで、看板ブランドである「ガーナ」の売上高を5年以内に300億円規模へと成長させる熱い決意を明かしました。この大胆な目標に対し、SNS上では「これからもずっと買い続けます」「新しい仕掛けが楽しみ」といった、ファンからの期待に満ちた声が早くも多数寄せられている状況です。誰もが知る定番商品だからこそ、次の一手に注目が集まっています。
2019年10月1日に実施された消費税率の引き上げは、国内の小売市場に大きな緊張感をもたらしました。ロッテでは事前の駆け込み需要による反動を予測し、ガムや板チョコレートの増量キャンペーンを展開するなど、万全の対策を講じていたそうです。食品類は税率を8%に据え置く「軽減税率」の対象となったため、事前の懸念に比べると深刻な落ち込みは回避できました。しかし、市場全体の冷え込みは続いており、前年並みの実績を維持するのが精一杯という厳しい現実が浮き彫りになっています。
こうした逆風が吹く中でも、同社のチョコレート菓子は驚異的な快進撃を続けている状況です。発売から40周年の節目を迎えた「パイの実」は、味わいのリニューアルが功を奏し、2019年4月から2019年11月までの期間で前年比21%増という大躍進を記録しました。さらに、人気商品の「トッポ」も前年比13%増と好調を維持しています。カカオ豆などの主要原材料の価格高騰は経営の大きな課題ですが、浦和工場の生産能力を4割増強し、需要の拡大へ即座に対応できる体制を整えました。
無駄を省く効率化と若手への大胆な権限移譲
ロッテが次に見据えるのは、商品の種類を整理する「SKU(最小管理単位)の削減」です。これは店頭に並ぶ商品のバリエーションやサイズを絞り込み、管理をシンプルにする手法を指します。物流費が高騰する現代において、利益を守るためには極めて重要な戦略と言えるでしょう。牛膓社長は「ブランドそのものは減らさず、個々のアイテム数を厳選する」方針を示しました。前年と同じものを漫然と作るのではなく、本当に消費者が求めている価値だけを吟味して届ける姿勢には、深く共感させられます。
組織の若返りとデジタル化への投資も、同社の変革を後押ししています。社内に新設された「SCM(サプライチェーン・マネジメント)プロジェクト」では、若手社員が主導権を握っている状況です。サプライチェーン・マネジメントとは、原材料の調達から製造、消費者に届くまでの全プロセスを一元管理して最適化する仕組みを意味します。ここに最先端の人工知能(AI)による需要予測を導入し、配送の無駄を徹底的に排除する試みは、現代の製造業が目指すべき理想的なアプローチだと評価できます。
さらに、驚くべきは「キシリトール」をはじめとする主力ブランドのリーダーに、30歳代の若手社員5人を抜擢した人事です。変化の激しい若い消費者層の心を掴むためには、同世代の感性やスピード感が欠かせないという社長の強い危機感と、未来への投資の意思が伝わってきます。SNSでも「若い感性で作られる新しいお菓子が楽しみ」「老舗企業の大胆な若返り策に好感が持てる」といった好意的な意見が目立っており、この柔軟な経営姿勢が同社の新たな強みになるのは間違いありません。
アジアから欧州へ広がるグローバル展開と五輪への期待
国内で基盤を固める一方で、海外市場への進出も加速させています。インドネシア、ベトナム、タイの東南アジア3カ国では、「チョコパイ」などの強みを持つ特定ブランドに資金と人材を集中させる、効率的なマーケティングを展開中です。また、業績が右肩上がりのポーランドの連結子会社「ウェデル」では、あえて「LOTTE」の社名やロゴを前面に出さない戦略を採用しました。現地で古くから親しまれている伝統ブランドの知名度を最大限に活かす手法は、現地の文化を尊重した賢明な選択と言えます。
牛膓社長は、今後4年から5年をめどに、総売上高に占める海外事業の比率を15%まで引き上げる目標を掲げました。また、開催が近づく東京オリンピック・パラリンピックに対しても、大きな経済効果を期待しています。単なるお祭り騒ぎにとどまらず、スポーツにおける「噛むこと(咀嚼)」の健康効果や、集中力向上との深い関係性を世間に広くアピールする絶好の機会と捉えている点が印象的です。お菓子を通じて心と体の健康を支えようとする姿勢が、強く感じられます。
インタビューの最後には、社長が注目する人物としてフィギュアスケートの羽生結弦選手や、映画プロデューサーの川村元気氏、そしてプロ野球の千葉ロッテマリーンズの名前が挙げられました。時代を牽引するトップランナーたちの創造性や情熱から、常に刺激を受けている様子が窺えます。伝統を守りながらも、AIの活用や大胆な若手の登用によって自己変革を続けるロッテの挑戦は、私たちの日常にこれからもたくさんの甘い幸せと、新しい驚きを届けてくれることでしょう。
コメント