2019年6月22日現在、世界経済の不透明感が増す中で、物流業界に大きな地殻変動が起きています。日本やヨーロッパを代表する国際物流大手が、こぞって東南アジアでの事業展開を加速させているのです。その背景にあるのは、激化する「米中貿易戦争」の影響です。製造業の拠点が中国から周辺国へと移る動きを見越して、日本通運やドイツポストDHLグループといった巨人が、新たな物流網の構築に巨額の投資を行っています。本日は、この熱い物流最前線について詳しく解説していきましょう。
まずは日本通運の動きに注目してみます。同社はマレーシアのクアラルンプール近郊において、広さ5万平方メートル弱という巨大な倉庫の建設を進めており、2020年1月末の完成を目指しています。ここでは自動車部品や電機関連の貨物だけでなく、地域内で消費される食品や日用品まで幅広く取り扱う予定です。さらにカンボジアでも2019年2月に着工済みで、年内12月の完成を見込んでいるほか、フィリピンやベトナムでの建設も視野に入れています。
変化する「サプライチェーン」と物流企業の勝機
ここで、頻繁に耳にする「サプライチェーン(供給網)」という言葉について、少し補足しておきましょう。これは原材料の調達から製造、在庫管理、配送、そして消費者の手元に届くまでの「モノの流れ全体」を指す用語です。米中貿易戦争による関税引き上げなどを避けるため、多くの企業が工場を中国から東南アジアへ移転させています。つまり、モノが作られる場所が変われば、それを運ぶルートも当然変わるわけで、物流企業にとってはここに新たなビジネスチャンスが生まれているのです。
ドイツの大手、DHLグループの動きも精力的です。彼らはタイを拠点として陸上輸送網の拡充に力を入れています。2018年までに大型トレーラーを含む車両を1日あたり約1200台、提携先を含めると計3000台も運行する体制を整えました。これは7年前と比較して約4倍という驚異的な増加ペースです。DHLの担当者は、中国から拠点を移す多国籍企業との連携を重視しており、インドシナ半島全体をカバーする越境輸送を提案していく構えです。
シンガポールでも進む巨大拠点整備とSNSの反応
一方、物流の要衝であるシンガポールでは、日本郵便の傘下にあるオーストラリアのトール・ホールディングスが躍動しています。約180億円を投じて建設した10万平方メートルの巨大施設は、すでに日用品大手など150社以上の貨物を扱っており、稼働率は約9割に達しています。これを2019年末までにはフル稼働の100%にまで引き上げる計画です。各社とも、東南アジアの成長と物流需要の爆発的な増加を確信していることが伺えます。
ネット上やSNSでは、こうした動きに対して敏感な反応が見られます。「やはり中国リスクを考えると東南アジアシフトは必然か」「日通や日本郵便が世界で戦っているニュースは頼もしい」「ベトナムやタイの経済成長は肌で感じるレベルだ」といった声が上がっています。投資家たちの間でも、東南アジア関連の物流銘柄への注目度が日に日に高まっている様子がタイムラインから読み取れるでしょう。
私自身、インターネットメディアの編集者としてこの状況を分析すると、物流インフラの整備は、その地域の経済発展を支える「血管」を作る作業に他なりません。米中摩擦という政治的な要因がきっかけではありますが、結果として東南アジア全域のインフラレベルが底上げされ、より効率的な経済圏が誕生することは間違いありません。日本企業がその中心的な役割を担っていることは非常に意義深く、今後の展開に大いに期待したいところです。
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