米中貿易戦争、ファーウェイの次は「ロボット」か?市場が警戒する「中国製造2025」の標的リスト。2019年、機械株が下落する理由

2019年5月27日の東京株式市場は、日米首脳会談を横目に見つつも、関心は「米中貿易戦争」の行方に釘付けでした。中国の通信機器大手ファーウェイへの制裁が世界を震撼させましたが、市場はすでに「これで終わりではない」という、次なる恐怖に身構え始めています。SNSでも「ファーウェイだけで終わるわけがない」「次の標的はどこになるんだ?」と、不安の声が広がっています。

アセットマネジメントOneの専門家からは「2019年7月以降の二番底懸念を考えると、今は機械株などを買う局面ではない」との厳しい見方も出ています。事実、2019年5月27日の株式市場では、日経平均株価が小幅に反発する中でも、ファナックやSMCといった機械関連の銘柄は、全体の流れに逆らって下落しました。これは、設備投資の冷え込みに加え、制裁の「標的」が広がる可能性を市場が織り込み始めたからにほかなりません。

では、なぜ「機械」や「ロボット」が警戒されるのでしょうか。その答えは、中国政府が2015年に打ち出した産業政策「中国製造2025」にあります。これは、中国が世界の製造強国になるため、「次世代情報技術」や「高度な工作機械・ロボット」、「先端的な鉄道設備」など10の重点分野を国策として強化する計画です。ファーウェイが標的となったのは、まさにこの「次世代情報技術(5G)」の中核だったためです。

この流れから、市場関係者の間では「ITの次は、ロボットや鉄道分野が締め付けられるのではないか」という見立てが急速に広がっています。もしそうなれば、中国との取引が多い日本の工作機械メーカーやロボット企業は、深刻な収益悪化を避けられません。実際に、中国での生産拡大を表明していたDMG森精機の株価は、2019年4月の高値からわずか1ヶ月で2割以上も下落。投資家の神経質な姿勢が鮮明になっています。

この懸念は荒唐無稽なものではありません。鉄道分野でも、米国の議員がニューヨーク市の地下鉄に中国国有企業の車両(中国中車製)が採用されることに安全保障上の懸念を示し、調査を求める事態が発生しています。さらに2019年5月27日、トランプ大統領自身が米中協議の早期合意は困難と発言。市場は「米中冷戦」という最悪のシナリオにも身構え始めており、軟調な株価がその不安を映し出しています。

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