2019年10月28日、兵庫県尼崎市教育委員会は、市立小中高を対象に実施した体罰に関する大規模なアンケート調査の結果を公表しました。この調査は、市立尼崎高校で発覚した体罰問題をきっかけに行われたもので、児童生徒の約85%にあたる1万9275人が回答に協力しています。その結果、なんと340人もの子どもたちが「体罰を受けた経験がある」と明かしており、教育現場における指導の在り方が改めて厳しく問われる事態となりました。
具体的な内訳を紐解くと、小学校では高学年の児童を中心に214人の被害申告があり、中学校では89人、高校では37人と、幅広い年齢層で体罰が横行していた可能性が浮上しています。特筆すべきは、対象となった大半の学校で何らかの申告がなされている点でしょう。SNS上では「まだこんな古い体質が残っているのか」「体罰は指導ではなく暴力だ」といった怒りの声が噴出しており、現代の教育倫理との乖離に多くの市民が衝撃を受けているようです。
教職員114人が認めた「体罰の事実」と今後の課題
今回の調査では、指導する側の教職員に対してもアンケートが行われ、114人が「体罰を行ったことがある」と回答しました。これには、身体に直接触れる暴力だけでなく、長時間立たせるといった不適切な「懲戒(ちょうかい)」も含まれている可能性があります。ここでいう懲戒とは、学校教育法に基づき、児童生徒に反省を促すために与えられる制裁のことですが、肉体的な苦痛を伴うものは「体罰」として法律で厳禁されています。
稲村和美市長は2019年10月28日の会見で、申告された内容には比較的軽微な事案も含まれているとの見解を示し、詳細な精査を進める方針を語りました。しかし、たとえ一度の平手打ちや軽い小突きであっても、子どもたちの心に残る傷は決して小さくありません。教育委員会は「あってはならないことであり、重く受け止める」とコメントしていますが、言葉だけでなく、具体的な再発防止策と教職員の意識改革が急務であると私は強く感じます。
尼崎市は、今回の結果を真摯に受け止め、教育現場から一切の暴力を排除するためのターニングポイントとしなければなりません。体罰が「熱血指導」という言葉で正当化される時代は、とうの昔に終わっています。SNSで拡散される「先生を信頼できなくなる」という切実な不安を解消するためにも、市がどのように透明性のある調査と改善を進めていくのか、社会全体で監視の目を向けていく必要があるでしょう。
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