2017年12月に大阪府箕面市の集合住宅で、当時わずか4歳だった筒井歩夢ちゃんが暴行を受けて亡くなるという、痛ましい事件が発生しました。この事件で傷害致死などの罪に問われた母親の筒井麻衣被告(28歳)の裁判員裁判が、2020年1月15日に大阪地方裁判所でついに始まりました。日本中が注目する初公判の席で、母親である被告がどのような言葉を口にするのか、法廷には重苦しい緊張感が漂っています。
検察側が読み上げた冒頭陳述によると、筒井被告は当時の交際相手である男(26歳)ら2人と共謀し、2017年12月24日の夕方から翌25日の未明にかけて事件を起こしたとされています。クリスマスの夜、自宅で歩夢ちゃんの腹部に激しい衝撃を与え、内出血によって死亡させたという凄惨な内容です。さらに、同年12月中旬から24日ごろにかけては、歩夢ちゃんの弟である次男に対しても、平手で殴るなどの暴行を執拗に加えていたと指摘されました。
なお、共犯とされた交際相手の男ら2人については、すでに懲役10年の実刑判決が確定しています。今回の公判で検察側は、母親である筒井被告自身が、この男たちに対して「子供たちに暴力を振るうよう要求していた」という衝撃的な事実を主張しました。インターネット上のSNSでは、この主張に対して「我が子を守るべき母親がなぜ」「あまりにも残忍で言葉を失う」といった、激しい憤りや悲しみの声が数多く寄せられています。
これに対して、筒井被告は「私の暴行によって生じたものではない」と述べ、起訴内容を真っ向から否認する姿勢を示しました。弁護側も交際相手の男たちとの共謀関係を完全に否定しており、裁判は全面対決の様相を呈しています。被告の子供たちには計50カ所以上もの傷痕が残されていたとのことですが、弁護側は検察側の主張に対して「どの暴行が起訴の対象なのか明確になっておらず、起訴自体に重大な違法がある」と厳しく反論しました。
弁護側は、手続きに重大な不備があるとして「公訴棄却」または「無罪」を言い渡すよう裁判所に求めています。ここでいう公訴棄却とは、裁判の本質的な審理に入る前に、検察側の起訴そのものに法律上の問題があると判断して、裁判を途中で打ち切る手続きのことです。罪の有無を判断する前段階の主張であるため、法廷ではまず、この起訴手続きの妥当性を巡る激しい議論が交わされることになるでしょう。
罪なき幼い命が奪われたこの事件において、誰がどこまで加害に関与していたのか、真実の解明が強く求められます。家庭という密室で起きた児童虐待は、周囲が気づきにくく、全容を把握することが極めて難しいという深刻な問題を抱えています。今回の裁判員裁判では、一般市民から選ばれた裁判員が、50カ所以上の傷という客観的な証拠と複雑な供述をどう評価するのか、その判断が今後の虐待抑止にも大きな影響を与えるはずです。
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