私たちの生活を支えるクリーンなエネルギーである水力発電に、画期的なイノベーションが到来しました。東京電力ホールディングスは、水力発電所の水路設備を非常に効率的にチェックできる最先端ロボットを開発したのです。カメラを内蔵した浮体式の装置が、水路の水を抜くことなく、壁面のひび割れなどを自動で検知してくれます。従来のように発電をストップさせる必要がなくなるため、電力の安定供給を維持したままメンテナンスができる点が素晴らしいですね。
開発された「浮体型水路壁面撮影装置」は、小型カメラと浮きが一体化したスマートな機材です。暗い水路を照らす照明や、水流の中でも姿勢を真っ直ぐに保つシステムを搭載しており、直径数メートルの水路を自走しながら撮影を行います。天井と水中の両方をバッチリ捉えることが可能で、すでに特許も申請されているそうです。水を抜かずに、しかも自動でスイスイと点検を進める姿を想像すると、技術の進歩にワクワクさせられます。
これまでの一般的な定期点検では、作業員が暗く深い水路の中を歩き、目視で腐食などを確認していました。この作業には数日間の時間を要するだけでなく、水を完全に抜く必要があるため、その間は発電を止めざるを得なかったのです。SNS上でも「これまでは発電を止めて泥泥になりながら人が歩いていたのか」「ものすごい重労働が解放されるのは素晴らしい試みだ」と、現場の苦労に対する共感とロボットへの期待の声が多数寄せられています。
深刻な人手不足と設備の老朽化に立ち向かう一石二鳥の戦略
東京電力は一部の発電所で実証試験を行い、水が濁っている過酷な環境でも水路の傷を見落とさずに検知できる実力を確認しました。2020年以降には実際の商用運転へ本格的に導入する予定となっています。さらに、この画期的な機材や運用のノウハウをパッケージ化して他社へ外販する計画も進められており、新たなビジネスモデルとしての収益化にも期待がかかります。インフラ企業が自社技術を外販する姿勢は、業界全体の底上げにも繋がるため大賛成です。
同社がここまで効率化を急ぐ背景には、発電所の老朽化と深刻な労働力不足があります。管理する約160カ所の水力発電所の多くは、明治から昭和にかけて稼働を開始した歴史ある設備です。メンテナンスだけでなく設備の更新時期も迎えている一方で、現場を支える作業員は減少傾向にあります。少子高齢化が進む日本において、こうしたインフラをいかに維持していくかは国家的な課題であり、今回のロボット開発はその突破口になるでしょう。
実は、東電のロボット活用はこれが初めてではありません。2019年には、発電所から水を外へ出す放水設備の点検に別の水中ロボットを導入しています。これにより、水をせき止めることなく異常を確認できるようになりました。発電所の規模にもよりますが、1回あたりの点検で100万円を超える大きなコスト削減に成功する事例もあるとのことです。効率化がダイレクトに数字となって現れるのは、経営の健全化の観点からも非常に好ましい動きだと言えます。
VR(仮想現実)が変える新時代の人材育成と水力事業のこれから
さらに、技術の継承をスムーズにするため、2020年4月からはVR(仮想現実:人工的に作られた仮想の空間を現実のように体感できる技術)を活用した若手研修がスタートします。独自に開発されたアプリと眼鏡型の専用端末を使うことで、まるで本物の水路の中にいるような臨場感で、点検手順やひび割れの原因特定を体験できる仕組みです。SNSでは「危険な現場に行かずにシミュレーションできるのは安全面でも最高」「ゲーム感覚で学べて若い世代に響きそう」と絶賛されています。
従来の研修は、実際の点検現場に先輩と同行するスタイルでしたが、移動の難しさなどから一度に受け入れられる人数に限界がありました。VRであれば時間や場所の制約が一切なくなり、入社直後の若い社員であっても、短期間で即戦力へと成長させることが可能になります。こうした柔軟な教育体制へのシフトは、これからの時代を生き抜く企業にとって必須の戦略です。今後はAI(人工知能)の活用も視野に入れ、水力事業の収益力を一層高めていく方針です。
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