2020年1月9日の東京外国為替市場において、日本の通貨である円が欧州の共通通貨であるユーロに対して値を下げる展開となりました。前日までは緊迫していた中東地域を巡る情勢が、一転して平穏を取り戻しつつあることが背景に挙げられます。前日比で48銭ほどの円安が進行し、1ユーロ=121円37銭から38銭のレンジで取引が展開されました。市場参加者の間では、一時の過度なリスクへの懸念が急速に解きほぐされていく様子が窺えます。
こうした市場の動きを決定づけたのは、アメリカのドナルド・トランプ大統領による演説です。大統領がイランに対する直接的な軍事報復を避ける意向を表明したことで、武力衝突の拡大という最悪のシナリオが回避されました。これを受けて、投資家の間では「リスクオフ」と呼ばれる、不確実性に備えて資産を守ろうとする姿勢が和らいでいます。世界的な危機が発生した際に買われやすい「安全資産」としての円が、今回は売られる側に回りました。
SNS上でもこの値動きは大きな注目を集めており、多くの個人投資家から驚きや安堵の声が上がっています。「全面戦争の危機が回避されてホッとした」という地政学的な安心感をつぶやく声が見られました。その一方で、「ドル円も109円台に突入して、一気に円安が進んだのでFXのポジション管理が難しい」といった、急激なトレンドの変化に翻弄されるリアルな市場の反応も目立っています。
専門用語について解説しますと、「安全資産」とは、経済危機や戦争といった予測不能な事態が起きた際にも、価値が目減りしにくいとされる資産を指します。日本は世界最大の対外純資産国であるため、有事の際には「有事の円買い」として円が買われやすい傾向にあります。今回はその逆の現象が起きた形です。私は、今回のトランプ氏の柔軟な外交姿勢への方針転換が、冷え込みかけていた世界経済の心理を救ったと評価しています。
最後に12時時点の具体的な為替相場を確認しておきましょう。対米ドルでは、前日比79銭の大幅な円安となる1ドル=109円200銭から205銭で推移しました。また、ユーロ対米ドルでは1ユーロ=1.1114ドルから1115ドルとなり、こちらは0.0037ドルのユーロ安を記録しています。中東の緊張緩和が市場に安堵感をもたらした形ですが、為替相場は常に各国の政治的発言に左右されるため、今後も主要要人の動向から目が離せません。
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