東北の観光拠点として知られる宮城県で、新たな旅のルールが誕生しようとしています。観光振興のための新しい財源を確保しようと、県が設置した有識者会議は2020年01月10日、ホテルや旅館の宿泊者を対象に課税する「宿泊税」の導入案を村井嘉浩知事へ提出しました。この宿泊税とは、特定の地域にある宿泊施設を利用する人に対して独自に課される地方税の一種で、すでに都市部を中心に広がっている仕組みです。
気になる具体的な金額ですが、1人1泊あたり100円から500円までの5段階の案が示されました。もし最高額である500円に設定された場合、年間で約50億円もの大きな税収がもたらされる見通しを県は公表しています。この課税対象は一般的な高級ホテルや老舗旅館だけでなく、手軽に泊まれる簡易宿泊所や、一般の民家に泊まる民泊の利用者まで幅広く含まれる方針が示されており、一律での徴収が目指されている模様です。
地方自治体への観光関連の国からの交付金は、2020年度に終了する見込みとなっています。だからこそ県は、独自の財源を設けることで、増加する訪日外国人客の誘致活動といった積極的な観光政策の資金に充てたい考えを持っています。現在は東京都や大阪府、京都市などの5つの自治体がすでにこの制度を取り入れていますが、こうした動きが東北地方にも本格的に波及してきたと言えるのではないでしょうか。
このニュースに対し、SNS上では「観光地の設備や案内板が綺麗になるなら歓迎したい」といった前向きな声が上がる一方で、「旅行の出費が家族連れだと痛手になる」という懸念も広がっています。また、宮城県の動きに合わせるかのように、中心都市である仙台市も市独自の宿泊税導入に向けて新たな検討会議を立ち上げる方針を固めました。県と市がどのように連携し、旅行者にとって魅力的な街づくりを進めていくのか注目が集まります。
観光資源を維持・発展させるために財源が必要なのは理解できますが、旅行者の負担増が足かせになっては本末転倒だと感じます。集められた税金がどのように使われ、どのような変化をもたらしたのかを透明性を持って発信することが、観光客の納得感に繋がるはずです。地方の魅力をさらに輝かせるための施策として、これからの議論の展開を温かく、かつ厳しく見守っていく必要があると言えるでしょう。
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