持続可能なエネルギーへの関心が高まる中、私たちの暮らしを支えるインフラに大きな動きがありました。電子計測器のトップメーカーであるエヌエフ回路設計ブロックと、その子会社であるNFブロッサムテクノロジーズは、2020年1月10日に山口市と進出協定を締結したのです。これにより、同市内の工業団地「山口テクノパーク」に、12億5000万円という巨額の投資を行って家庭用蓄電池の新工場を建設することが決定しました。
このニュースに対し、SNS上では「地元に大きな雇用が生まれるのは嬉しい」「クリーンエネルギーの拠点になってほしい」といった歓迎の声が相次いでいます。また、「これからは家で電気を作る時代だ」と、蓄電池の普及に期待を寄せるユーザーも少なくありません。新工場は2020年3月に着工を予定しており、同年12月からの操業開始を目指しています。地元を中心に雇用を創出し、2021年3月には130人体制へと拡大する計画です。
ここで注目したいのが、NFブロッサムテクノロジーズの生い立ちです。同社はエヌエフ回路設計が蓄電池製造部門を分社化し、2019年12月に設立したばかりの注目企業に他なりません。さらに、2020年2月には大手総合商社の伊藤忠商事が増資に応じる形で合弁会社化することが決まっており、業界内でも強力なタッグとして大きな話題を呼んでいます。
両社はこれまでも、高性能な家庭用蓄電池「スマートスター」の製造と販売で深い協業関係を築いてきました。スマートスターはいわゆる「定置型蓄電池」と呼ばれるもので、停電などの緊急時に家庭へ安定した電力を供給できるほか、太陽光発電と連携してエネルギーを賢く管理できる優れたシステムです。日中に発電した電気を貯めて夜間に使うという、環境に優しいライフスタイルを可能にしてくれます。
今回の新工場建設の背景には、いわゆる「卒FIT(再生可能エネルギーの固定価格買い取り制度)」の満了に伴う市場の変化が存在します。これは、太陽光で発電した電気を国が定めた高価格で買い取る期間が終了することを意味しており、これからは売電するよりも「自宅で消費する」ほうがお得になる時代が到来したのです。そのため、自家消費に欠かせない蓄電池の需要が急激に高まっています。
私は、この取り組みがこれからの日本のエネルギー自給率向上や、防災対策において極めて重要な一歩になると確信しています。新工場では、年間で4万台から6万台という圧倒的なボリュームの生産能力を確保する方針です。大手の資本力と確かな技術力が融合することで、高品質な蓄電池がより多くの家庭に届き、持続可能な社会の実現が加速していくことを心から期待して止みません。
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