中東の緊迫した情勢が、さらなる局面を迎えています。イラン政府は2020年1月5日、2015年に欧米諸国などと締結した核合意の義務を停止する「第5弾」の措置を発表しました。今回はなんと、ウランの濃縮活動を無制限に進める方針を打ち出しています。
ここで気になる「ウラン濃縮」とは、原子力発電の燃料や核兵器の材料となるウランの濃度を高める技術のことです。この濃度を仮に兵器級に近い20%まで引き上げれば、世界中に大きな脅威を与える事態へと発展しかねません。それゆえに、今回の発表は世界に大きな衝撃を与えています。
SNS上では「ついにここまで来てしまったか」「第3次世界大戦の引き金にならないか不安すぎる」といった平和を揺るがす事態への恐怖や懸念の声が続出しています。一方で「アメリカの身勝手な制裁が原因だ」と、イラン側に同情を寄せる意見も見られ、ネット上でも議論が白熱している状況です。
イラン側は遠心分離機の数や製造量に制限を設けないとする一方、国際原子力機関(IAEA)による核査察への協力は継続する意向を示しました。これは、アメリカによる経済制裁の解除や、核合意の維持を模索する欧州からの経済支援を引き出したいという、高度な政治的駆け引きであると私は分析しています。
事実、イランのザリフ外相は、相手国が義務を履行すれば今回の措置はすべて撤回可能だと主張しています。今回の決断は、2020年1月に入り米軍がイランのソレイマニ司令官を殺害したことで両国の緊張が極限に達した結果でしょう。しかし、過度な挑発は欧州の反発を招き、自らを孤立させる諸刃の剣です。
アメリカの一方的な離脱から始まったこの混迷は、対話による解決以外に道はありません。イランが「最終」と位置づける今回の無制限ウラン濃縮が、破滅へのカウントダウンではなく、国際社会が真摯に外交交渉へ戻るための強い警告となることを、切に願うばかりです。
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