日本国内で2020年春にいよいよ商用化を迎える高速通信規格「5G」ですが、早くもその次のステージを見据えた壮大なプロジェクトが動き出します。世界中で激しい開発競争が繰り広げられる中、次世代の通信規格である「6G」の実現に向けた官民の本格的な議論が、2020年1月27日からスタートすることになりました。政府は同年の夏までに具体的な工程表を含む総合戦略をまとめ、世界をリードする青写真を描く方針です。
SNS上では「まだ5Gすら体験していないのに、もう6Gの話なのか」と驚く声が上がる一方で、「日本の技術力で世界をアッと言わせてほしい」といった期待を寄せる書き込みが目立っています。このように世間の注目が集まる背景には、現行の5Gにおける苦い経験があるようです。日本は5Gの基盤となる技術開発や実際のサービス開始において、米国や中国などの通信大国に一歩リードを許してしまいました。
5Gの標準規格に関する重要な特許の出願件数を調査したデータによると、韓国のサムスン電子が全体の8.9%を占めてトップに君臨しています。さらに中国のファーウェイが8.3%、米国のクアルコムが7.4%と続き、日本勢で最上位のNTTドコモは5.5%で6位という結果にとどまりました。この現状を打破し、次なる戦いで世界の主導権を奪還するための仕切り直しこそが、今回の大きな狙いなのです。
省エネとセキュリティを武器に2030年の主役へ
高市早苗総務相は2020年1月21日の記者会見において、次世代通信の円滑な導入が我が国の国際競争力を高めるために絶対に欠かせないと強調しました。この力強い宣言とともに立ち上げられる研究会では、東京大学の五神真学長を座長に迎え、実務を担う作業部会にはNTTや東芝といった日本を代表する企業が名を連ねています。まさに国と企業、そして学術界がスクラムを組んだ最強の布陣と言えるでしょう。
ここで鍵となるのは、日本企業が伝統的に得意としている「省エネルギー」と「セキュリティ(暗号化や情報防衛の技術)」の2分野です。膨大なデータを瞬時に処理する未来の通信社会では、消費電力の削減と安全性の確保が世界共通の最重要課題になります。強みを最大限に活かせる6Gの領域であれば、日本が世界の先陣を切って標準化を勝ち取るチャンスは十分にあります。
メディア編集者としての私の視点ですが、この6G戦略は単なる通信の高速化にとどまらず、日本の産業界全体の命運を握る極めて重要な分岐点になると確信しています。5Gでの遅れを素直に認め、次の一手へ瞬時に舵を切ったスピード感は評価すべきでしょう。強固なセキュリティと地球に優しい省エネ技術が融合すれば、2030年ごろには日本発のテクノロジーが世界のインフラを支えているに違いありません。
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