埼玉県内に深く根差して活動する企業が、一体どの金融機関を最も信頼しているのかという疑問について、興味深いデータが明らかになりました。帝国データバンク大宮支店が2020年1月23日に発表した「埼玉県企業のメインバンク実態調査」によると、地元の経済を牽引する圧倒的な存在が浮き彫りになっています。メインバンクとは、企業が融資や口座開設などの取引を最も大きな規模で行っている中心的な銀行を指す言葉です。今回の調査は、県内6万1505社という膨大な企業データベースを基に実施されました。
栄えある第1位に輝いたのは、1万6652社から選ばれた埼玉りそな銀行で、全体の27.1%という驚異的なシェアを獲得しています。SNS上でも「やはり埼玉ではりそなの存在感がずば抜けている」「手続きのしやすさや安心感が違う」といった声が多く聞かれ、地元企業からの絶大な信頼が証明された形となりました。続く第2位にはシェア11.9%で武蔵野銀行がランクインし、第3位には10.2%で埼玉県信用金庫が続く結果を見せています。上位3行だけで全体の半数を占めるという、地域に特化した金融機関の強さが目立つ構図です。
さらに細かく県内の地域別データに目を向けると、全てのエリアにおいて埼玉りそな銀行が首位を独占するという圧倒的な強さを誇っています。しかし、2位以下の顔ぶれにはそれぞれの地域の特色が色濃く反映されているのが非常に興味深いポイントと言えるでしょう。例えば、東部や北部エリアでは埼玉県信用金庫が2位に食い込む一方で、西部や南部エリアでは武蔵野銀行がその座を確保しています。企業が自社の活動拠点にどれだけ密着した金融機関を選んでいるかが、この結果から一目で分かります。
ここで注目すべきは、埼玉県外に拠点を置く金融機関が驚くほどの健闘を見せている点です。東部地域では、東武線沿線へ積極的に店舗を展開している栃木銀行が4位にランクインしました。また、群馬県や栃木県と隣接する北部地域においては、3位の群馬銀行を筆頭に足利銀行が5位、東和銀行が6位と、北関東を本拠地とする地方銀行が上位に数多く名を連ねています。国境ならぬ県境を越えて活発にアプローチを仕掛ける隣県の銀行と、地元銀行との激しいシェア争いがリアルに伝わってきます。
4位から6位の間にはみずほ銀行、三菱UFJ銀行、三井住友銀行という、全国に展開する三大メガバンクがしっかりと順位をキープしました。その後を飯能信用金庫や城北信用金庫が追う展開となっています。信用金庫、通称シンキンは、大企業向けの銀行とは異なり、地域社会の繁栄を目的として中小企業や個人を支える非営利の協同組織です。メガバンクの利便性も魅力的ですが、中小企業の多い埼玉県においては、親身に相談に乗ってくれる信用金庫の存在が経営者の心強い味方になっているのでしょう。
今回の調査結果を分析すると、埼玉のビジネスシーンでは「地域への密着度」がいかに重要視されているかが改めて実感できます。埼玉りそな銀行の独走状態はしばらく揺るぎそうにありませんが、隣県の地方銀行や地元の信用金庫もそれぞれの強みを活かして独自のネットワークを築いています。SNSでも「地元の信金さんにはいつも助けられている」という温かい書き込みが見られるように、今後は単なる規模の大きさだけでなく、企業の経営課題にどれだけ寄り添えるかという質の高いサポート力が、勢力図を塗り替える鍵になるでしょう。
コメント