総合建設大手の日本国土開発が、2020年1月14日に2019年6〜11月期の連結決算を公表しました。発表された内容によると、最終的な儲けを示す純利益が前年の同じ時期と比べて37%減の54億円に落ち込んでいます。このニュースは投資家の間で瞬く間に広がり、SNSでも「建設業界のピークアウトがいよいよ現実味を帯びてきたのか」といった不安の声や、「一時的な要因なら買い場かもしれない」という冷静な分析など、多様な意見が飛び交い大きな盛り上がりを見せていました。
今回の業績悪化を招いた最大の要因は、高層マンションやホテルといった建築事業における大型工事の竣工(しゅんこう)が減少したことにあります。ここで言う竣工とは、建築工事がすべて完了して建物が完成することを意味する専門用語です。建設業界では、建物が引き渡されるタイミングで追加工事の契約が決まり、利益率が跳ね上がることが珍しくありません。しかし、今回はこの追加契約が想定よりも少なかったため、工事全体の採算性を表す完成工事総利益率が前年同期より7.2ポイントも低下して19.4%にまで沈み込んでしまいました。
セグメント別の動きに目を向けると、建築事業の売上高自体は前年同期比4%増の291億円と堅調だったものの、本業の儲けを示す営業利益は83%減の7億円と激しい落ち込みを記録しています。一方で、道路やダムなどをつくる土木事業は、東日本大震災からの復興関連工事や発電所建設といった手持ちの案件を順調に進めました。それでも売上高は3%減の312億円、営業利益は5%減の64億円と一歩及びません。さらに、前年にマンション売却で潤った不動産事業がその反動で減益となったことも、全体の足を引っ張る形となりました。
私個人の見解としては、今回の減益はあくまで大型案件の谷間に陥った一時的な「端境期(はざかいき)」によるものであり、過度に悲観する必要はないと考えています。企業側も2020年5月期の通期業績予想を据え置いており、売上高は前期比5%増の1250億円、純利益は22%減の81億円を見込んでいます。期末に向けて複数の大型プロジェクトが完成を迎える予定であるため、ここからの追加工事の獲得次第では、業績が大きく上振れるサプライズも十分に期待できるでしょう。
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