福祉という、誰よりも寄り添うべき存在が、あってはならない過ちを犯しました。2020年2月4日までに明らかになった事実によれば、愛知県海部福祉相談センターの職員2人が、保護された70代の身元不明男性を管轄外の公園に置き去りにするという、信じがたい事態が発生しました。本来、困窮する人々を支え、適切な社会資源へとつなぐのが彼らの責務であるはずです。それを放棄したこの行為は、公的機関に対する信頼を根本から揺るがすものと言わざるを得ません。
救済の放棄と繰り返される隠蔽工作
ことの起こりは、2020年1月17日の夕方にさかのぼります。愛知県大治町で、ATMの操作が困難な様子だった70代男性が警察に保護されました。意思疎通が難しい状態だったため、津島署から海部福祉相談センターへ引き渡されたのです。まずは適切な居場所を探すべき状況で、職員は宿泊施設への入所を試みますが、健康状態を理由に断られてしまいます。ここまでは仕方がない側面もあったかもしれません。しかし、ここから対応は一線を越えていくことになります。
施設受け入れが叶わないとわかると、あろうことか上司が指示したのは「管轄外の名古屋市中村区へ連れて行き、偽名を使って119番通報する」という手法でした。これは、自らの組織の責任を回避するために、他自治体や消防へ負担を押し付ける極めて無責任なやり方です。2020年1月18日の午前0時ごろ、職員たちは救急隊が到着するのを待たず、男性を置き去りにして公園を立ち去りました。本来、受給できるはずの公的扶助や保護から、行政自らが見放すという最悪の展開です。
さらに悪質なのは、この経緯を隠そうとした点です。真実を追及しようとした警察に対し、虚偽の説明をするよう上司が職員に指示していたことも発覚しました。SNS上でもこの報道に対しては、「信じられない」「税金で動く公的機関がやることか」といった憤りの声が渦巻いています。一人の人間の尊厳を守るべき立場にありながら、責任をなすりつけ、あまつさえ嘘を重ねた。これは決して見過ごせない事案であり、福祉の現場に求められる倫理観が著しく欠如していたと断言できます。
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