【デザイン界の巨人、AIに挑む】フィリップ・スタルクが語る「人知を超えた椅子」。イカ型レモン搾り器から宇宙ホテルまで貫く哲学

2019年5月29日付の報道は、デザイン界の巨匠、フィリップ・スタルク氏が、人工知能(AI)という最先端技術と融合した、驚くべき挑戦を続けていることを伝えました。スタルク氏がイタリアのカルテル社と共同で、世界最大の家具見本市「ミラノサローネ」で発表したのが、AIが設計した椅子**「A.I.シリーズ」**です。彼はこれを、「過去の習慣や思考方法にとらわれず、人間の頭脳の外でデザインされた初めての椅子」だと自負しています。

この椅子の設計は、米オートデスク社の3D技術とAIが担当しました。スタルク氏は、「果てしない新しい世界の扉が開かれた」と、その成果を喜んでいました。彼のデザイン哲学は一貫しており、それは**「最小限の材料を使用し、可能な限り最高の使い心地を提供すること」です。例えば、家族との食事中にイカ料理にレモンを絞る様子から着想を得たという、シンプルで美しい形状のイカ型レモン搾り器**は、MoMA(ニューヨーク近代美術館)の永久保存版に認定されるなど、その独創性が高く評価されています。

SNS上では当時、「AIがデザインする時代になったか」「スタルク氏の好奇心は衰えない」「イカ型のレモン搾り器の発想は天才的だ」といった、AIの創造性とスタルク氏のユニークな発想に対する驚きの声が多数上がっていました。彼は「歯ブラシでもヨットでも、同じ哲学で取り組む」と語り、モノが果たす役割と、モノを使う人が何を求めているのかを徹底的に考える姿勢を貫いています。

70歳となった今なお、スタルク氏のユニークなデザインへの情熱は衰えることを知りません。彼はホテルデザインを数多く手掛けてきましたが、ついに宇宙船内のホテルに着手しました。商用宇宙ステーション(宇宙ホテル)の建設を進める米ベンチャー企業、アクシオム・スペースから依頼を受け、2020年までの建設を目指していました。彼がイメージするのは、重力のない世界で、巣で眠る卵のように心地良く安心感のある空間です。 肌色の柔らかな壁は胎内を思わせ、壁には数百の**ナノ発光ダイオード(LED)**が輝くという、極めて詩的で未来的な空間設計を構想しています。

コラムニストとしての私の意見ですが、スタルク氏のAIとの協業や宇宙ホテルへの挑戦は、**「イノベーションとは、人間の限界を知り、新しい道具を使ってそれを超えることだ」というメッセージを私たちに投げかけています。AIはデザイナーの仕事を奪うのではなく、人間の思考の外で新しい可能性を提示する「パートナー」**になるのです。スタルク氏の尽きることのない好奇心と独創的なデザイン哲学が、AIと宇宙という新しいフロンティアを切り拓くことを期待したいものです。

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