【2019年6月】北陸経済は「緩やかな拡大」を維持!スマホ向け電子部品の不調と夏の個人消費の行方

2019年6月の北陸財務局による経済調査の結果が発表されました。これによると、北陸3県(富山県、石川県、福井県)の景気は、前月の判断から据え置かれ、「緩やかに拡大しつつある」という総括判断が維持されています。この判断は、北陸地域全体が安定した成長基調にあることを示唆するものといえるでしょう。しかしながら、その内実は業種によって明暗が分かれており、特に注目すべき動向も見られます。

景気のけん引役の一つである生産活動を業種別に見ますと、スマートフォン(スマホ)関連の需要低迷が響き、電子部品・デバイスの分野では厳しい状況が続いています。北陸財務局は「全体では足踏みの状況にある」との判断を維持しており、これはスマホの高機能化と高価格化によって消費者の購買意欲が減退し、需要が伸び悩んでいることが背景にあると考えられます。この状況について、当時の西田直樹局長は「(スマホ向けは)少しずつ状況は悪くなっている」と懸念を表明しており、この主力産業の動向が今後の北陸経済の鍵を握ると言えるでしょう。

一方で、消費者マインドを示す個人消費は堅調です。百貨店やスーパーの販売動向に関する判断は「緩やかに回復している」と維持されました。これは、生活必需品である飲食料品の売上が安定して伸びていることに加え、気温の上昇に伴って夏物衣料などが動き出し、季節商材の販売が好調に推移しているためと考えられます。消費が拡大することは、地域経済の活性化に直結するため、非常に心強い動きであると言えるでしょう。

この経済調査の結果と発表直後のSNSでの反響を照らし合わせると、多くの地元企業経営者や経済関係者の間では、景気拡大の維持に安堵しつつも、電子部品・デバイス分野の停滞、とりわけ海外市場に大きく依存するスマホ関連の不調に対する警戒感が広がっているようです。一見すると堅調な「緩やかな拡大」という表現ですが、その実態は、外需(海外市場からの需要)に左右される製造業と、内需(国内市場からの需要)に支えられる個人消費という、異なる要因が綱引きをしている状況と見て取るべきでしょう。

私見としては、北陸経済が持続的な成長を遂げるためには、特定の主力製品に過度に依存する構造からの脱却が急務ではないかと考えます。電子部品・デバイス産業が直面する高価格化・需要低迷という構造的な課題に対し、地域全体で新たな高付加価値製品の開発や、観光・サービス業といった内需主導型の産業をさらに育成していくことが、景気の変動リスクを抑え、より安定した経済成長への道筋を確かなものにするでしょう。

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