空を見上げればドローンが荷物を運び、災害現場で救助を支援する。そんなSF映画のような日常が、いよいよ現実味を帯びてきました。2019年07月04日、国立研究開発法人の新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)は、次世代の空のインフラを支える「ドローン識別技術」の開発に着手することを発表したのです。これは、目視できないほど遠くを飛ぶ機体を安全に管理するための画期的なプロジェクトです。
今回の開発における最大のキーワードは「リモートID」と呼ばれる遠隔識別システムです。これは、いわばドローンにとっての「空のナンバープレート」のような役割を果たします。機体固有の情報やリアルタイムの位置データを電波で発信し、周囲の機体や管理センターがそれを瞬時に把握できる仕組みです。SNS上でも「これなら不審な機体もすぐに見分けられる」「空の安全が守られるのは心強い」といった期待の声が続々と上がっています。
物流・災害対応の鍵を握る「運行管理システム」の進化
なぜ今、この技術が求められているのでしょうか。深刻な人手不足に悩む物流業界にとって、ドローンによる無人配送はまさに救世主といえる存在です。しかし、複数のドローンが入り乱れて飛行するようになれば、空中衝突のリスクは避けられません。そこで政府は2017年度より、目視外でも省エネかつ安全に飛行させるための「運行管理システム」の研究を強力に支援してきました。今回のプロジェクトは、その中核を担うものです。
今回開発される通信システムは、識別情報をもとに管理センターから各機体へ適切な指令を送ることを可能にします。例えば、進行方向に障害物がある場合や他の機体と接近しそうな場合に、自動で回避ルートを提示するのです。さらにはヘリコプターなどの有人航空機と同じ空域を共有しても、互いの位置を把握し合うことで事故を未然に防ぎます。空の「交通整理」がデジタル技術によって実現されようとしているわけですね。
この壮大な計画には、日本を代表するNECなどの精鋭企業9社が委託先として選ばれました。開発期間は2021年度までの3年間を予定しており、福島県にある「福島ロボットテストフィールド」などで大規模な実証実験が行われる見通しです。現場でのトライ&エラーを繰り返すことで、理論上の空論ではない、実用性の高いシステムの構築を目指します。サイバー攻撃を防ぐためのセキュリティ対策についても、同時に議論が進められる予定です。
私自身の見解を述べますと、このリモートID普及は、ドローン産業が「趣味」から「社会インフラ」へと脱皮するための必須条件だと考えています。どれほど便利な技術であっても、安全性が担保されなければ社会に受け入れられることはありません。2019年07月04日から始まったこの歩みが、3年後の2021年度には確固たる制度設計へとつながり、日本の空が世界で最もスマートで安全な道になることを切に願っています。
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